2022年7月25日
川崎汽船株式会社

 

 川崎汽船株式会社(以下、「当社」)が運航する液化天然ガス(LNG)を燃料とする7,080台積み大型自動車運搬船“CENTURY HIGHWAY GREEN”が、日本船舶海洋工学会主催「シップ・オブ・ザ・イヤー2021」の大型貨物船部門賞を獲得し、7月22日に授賞式が催されました。
「シップ・オブ・ザ・イヤー」は、その年に日本で建造された応募船の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船を選考して与えられるもので、1990年に創設され今年で32回目となります。

 

 本船は従来の重油燃料の船に比べ、温室効果ガス(GHG)である二酸化炭素(CO2)の排出を25%~30%、大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)の排出をほぼ100%、LNG燃料の使用に加えEGR(Exhaust Gas Recirculation)を使用することにより窒素酸化物(NOx)の排出を80%~90%削減することが可能となりました。さらに、高圧型LNG焚き主機を国内造船所建造の自動車運搬船で初めて採用し、メタンスリップ(未燃ガスの排出)の軽減も実現致しました。また、船内高速通信インフラなどを構築したデジタルフラッグシップとして、遠隔検査にも適応し、当社が重要課題としている安全・環境・品質の向上を図りました。「シップ・オブ・ザ・イヤー」では、最新の環境対応とデジタル技術を併せ持ち、外観デザインが優れた船として、評価されました。

 

 当社では、環境に関わる長期指針『“K”LINE 環境ビジョン 2050』(注1)を掲げ、本船の就航は2030年目標である「CO2排出効率50%改善」の達成にむけた重要なマイルストーンとなります。今後拡大が予想される環境対応を含めた顧客ニーズに柔軟かつ積極的に対応するとともに、『“K”LINE 環境ビジョン 2050』に基づき、事業活動を通じて環境保全を図りつつ、経済・社会の持続的な発展に貢献し、企業価値の向上に努めてまいります。 


(注1):2021年11月公表:
当社は気候変動対策に対する取り組みを強化するため、2020年6月に改訂版を公表した環境に関わる長期指針「“K”LINE 環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」の一部を見直し、新たな2050年目標として「GHG(温室効果ガス)排出ネットゼロに挑戦する」ことを定めました。 https://www.kline.co.jp/ja/csr/environment/management.html
 

“CENTURY HIGHWAY GREEN”


「シップ・オブ・ザ・イヤー2021」授賞式の様子

(左から日本シップヤード株式会社 兼重専任課長、今治造船株式会社 長岡執行役員、
川崎汽船株式会社 岩下常務執行役員、中野執行役員、日本船舶海洋工学会 藤久保会長)
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(左から日本シップヤード株式会社 兼重専任課長、今治造船株式会社 長岡執行役員、
川崎汽船株式会社 岩下常務執行役員、中野執行役員、日本船舶海洋工学会 藤久保会長)