外部環境の変化に伴うリスクと事業機会の認識

1)「レガシー企業文化からの脱却」

DXの本質とは、単にレガシーなシステムを刷新する、高度化するといったことにとどまるのではなく、事業環境の変化へ迅速に適応する能力を身につけると同時に、その中で企業文化(固定観念)を変革(レガシー企業文化からの脱却)することにあると考えられる。』
経済産業省 DXレポート2 中間取りまとめ 2020/12/28:https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-2.pdf

川崎汽船のDX戦略

情報・業務プロセス及び船舶のデジタライゼーションを一層進め、データやデジタル技術の活用により、
   安全・環境・品質のコアバリューを磨き上げ、競争力の源泉として付加価値を向上

DXによる目指す姿と具体的な取り組み

DXを推進する上で当社が重要と考える5つの視点で戦略を展開

顧客や社会の課題の変化にあわせ迅速かつ柔軟にステージアップ

各領域のDX推進イメージ

陸上のDXと海上のDXそれぞれの目標に合わせ、DX戦略を支えるケイパビリティを醸成

マテリアリティ*注1)の変化とDX推進状況をモニタリングすることで柔軟かつ迅速にDX戦略を更新

*注1) 当社グループにとってのマテリアリティとは
当社グループにとってのマテリアリティは、中期経営計画に基づいて企業理念やビジョンを実現し、持続的成長や企業価値向上を果たしつつ、社会課題の解決にも貢献する、いわば当社グループと社会・環境、双方のサステナビリティを両立させるために取り組むべき重要課題と位置づけられます
 

陸上のDX

情報の見える化やIT環境の整備による、顧客要望・社会ニーズへの柔軟な対応力を獲得
データとデジタル技術を駆使した新たな価値を提供することで、顧客パートナーシップを深化

*注2)国土交通省が策定した、港湾が果たすべき役割や今後推進すべき政策をまとめた港湾の中長期政策
*注3)経済産業省と国土交通省が2040年を目標としてロードマップをとりまとめた、物流のあるべき将来像

海上のDX

長年蓄積したビッグデータとAIを活用した解析技術の融合による全体最適運航を実現
運航支援の充実と実装システムの高度化による船員負担軽減と安全運航の堅持

*注4) 統合船舶運航・性能管理システム

データのDX

データ利活用を前提とした業務のデジタライゼーションを完遂し、最新テクノロジーを導入
顧客や他社とつながるエコシステムに参画することで、社会・海運業界へ新たな価値を創出

人材のDX

DX人材の育成プログラムの設計と実行(D+プロジェクト)
経営層を中心とした推進委員会と組織横断的な推進部門の設置、及びグループ共創体制

*注5) Observe(観察)、Design(設計)、Validate(検証)、Adjust(調整)

DXを支えるセキュリティ

船陸共にサイバーセキュリティのデジタル基盤を拡充させDX推進を継続的にサポート
グローバルでセキュリティガバナンスを強化し、サイバーインシデントに対応できる組織を構成
技術的対策に加え、セキュリティ教育・啓蒙活動を通じ、セキュリティファーストの文化を醸成
情報安全確保支援士などサイバーセキュリティに関する専門人材の育成・確保
最新の動向や脅威の把握と継続的なセキュリティ管理の高度化