新造船建造のための「品質マネジメントシステム」(ISO9001)

造船技術グループでは造船所に発注して建造される新造船に関する業務を行っています。具体的には社内営業部門から持ち込まれた新造船の仕様書を査定することに始まり、川崎汽船独自の仕様を盛込んだ建造仕様書の立案、造船所から提出された図面等のチェック、建造中の船の建造工程の管理、現場監督、品質管理等を行っています。


これらの新造船建造業務の一連の流れを明確にし、分業体制を容易化すると共に当社の思想を反映させた新造船の建造方針を造船技術グループ所属員に浸透させるツールとして、国際規格である品質システム(ISO9001)に基づく「品質マネジメントシステム(QMS)」を構築し、2008年にDNV-GL船級協会の認証を得ました。

先に述べたとおり品質マネジメントシステム(QMS)は、品質システム(ISO9001)の規格に基づいており、その規格の要求事項としてPDCAサイクル【PLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(評価)→ACT(改善)の4段階を繰り返すことによって業務を継続的に改善すること】があります。造船技術グループの業務の中で上記「仕様書の査定、建造仕様書の立案」が“PLAN”に該当し、「図面等のチェック、建造中の船の建造工程の管理、現場監督、品質管理等」が“DO”に該当します。


そして船が竣工した後も、船のスピードが仕様どおりに出ていることの確認や不具合の原因などを調査するほか、社内の各営業部門に対して継続的に行うアンケートや聞き取り調査を通して、当社の顧客の新造船に対する評価を把握し、徹底的な改善を行っています。そしてこれらの業務が“CHECK”と“ACT”に該当します。


今後ともこの品質マネジメントシステム(QMS)によるPDCAサイクルを着実に実行することで、新造船の品質向上、コストパフォーマンスの追求を行うと共に、新技術や環境に配慮した技術、手法を検討して顧客に提案することで、地球環境負荷の低減につながる新造船の開発に努めていく所存です。