2015年04月01日
川崎汽船株式会社
代表取締役社長 村上 英三
入社式社長挨拶
皆さん入社おめでとうございます。私も本日より新社長としてスタートいたしますので、よろしくお願いいたします。
本日より皆さんを川崎汽船の一員として迎えるに際し、役職員を代表してお祝いの言葉を申し上げます。
ここにいる皆さんは、就職活動を通して川崎汽船について、あるいは海運業界についていろいろと研究されてきたことと思いますので、長い歴史の中で、我々が国内外の政治、経済、地政学的な事象等、様々な外的要因によって業績に大きな影響を受け、そしてそれを幾度となく乗り越えてきたことをご存知かと思います。
2008年のリーマンショックから今日に至るまでの期間も、たいへん厳しい試練でした。 そのような中、2012年度から昨年度までの3ヵ年中期経営計画 『Bridge to The Future』においては、「2012年度の経常損益の黒字化」、「安定収益体制の構築」、「財務体質の強化」という3つの重要課題を掲げ、全役職員一丸となって構造改革に取り組みました。 その結果、主要項目の目標をほぼ達成し足腰の強い会社へと生まれ変わりつつあります。 そして次の中期経営計画が始まる新たな年度に、今こうして新しい仲間を迎えることができることをたいへん嬉しく思います。
新中期経営計画は、 『“K” LINE Value(ケイライン バリュー) for our Next Century』の名のもと、2019年の創立100周年までの5ヵ年計画として策定されたものです。 この新中期経営計画の目標が、常に役職員一人ひとりに認識され、各人の業務目標に浸透し、業務プロセスに落とし込まれ、着実に成し遂げられることが重要です。 新入社員の皆さんにも、まずこの新中期経営計画をしっかりと理解していただき、若い力とチャレンジ精神を最大限に発揮していただきたいと思っています。
「“K” LINE Value(ケイライン バリュー)」というキーワードには、業績改善による狭義の企業価値の向上だけでなく、企業として社会的責任を果たし、社会貢献も含めた企業価値を高めていくという思いを込めています。
これらを実行する担い手は、紛れもなく皆さんを含めた役職員一人ひとりです。グローバルな舞台でリーダーシップを発揮できる多様な人材の育成、つまり皆さんの成長が、今後の会社の命運を握っていると言っても過言ではありません。
そのために皆さんには、『個人の力』のレベルアップをお願いしたいと思います。英語力やITスキルはもちろん、情報を分析し、将来を予見するなど、考える力を強化し業務に活かしていただきたいと思います。お客様のニーズは多様化、専門化しています。グローバルにビジネスを展開する当社の役職員には、そうしたニーズに対応できる海運人になっていただきたいと思います。この『個人の力』を上げることにより、質の高い会社を作り上げることができると考えています。よろしくお願いいたします。
先ほど中期経営計画の話の中で、当社の社会的責任について触れました。
陸上総合職新入社員の皆さんには、今年度も約2ヶ月間の現場研修を実施します。国内外の臨港店で最前線の現場を経験し、海運業にはいかに多くの人が関わっているかを体感し、多くのことを吸収していただきたいと思います。また、東日本大震災の後から継続して実施している「復興支援研修」も予定しております。社会人としてどのような社会貢献ができるのか、また継続していくことがいかに大切か、しっかりと考える機会にしていただきたいと思います。
海上職新入社員の皆さんは、「安全運航・環境保全」をまさに現場で実行する立場となります。また、将来的には多国籍の乗組員を指導・管理する立場になりますので、それを念頭において日々技術や知識の習得に努めていただきたいと思います。
最後に、法令順守の徹底もお願いいたします。 一社会人としてのマナーや常識を身に付け、また関連法規をしっかりと理解の上、常に念頭において仕事に従事していただきたいと思います。
2019年の創立100周年に向けて、共に頑張りましょう。今日から川崎汽船の一員となった皆さんの柔軟な発想力、力強い行動力で、おおいに活躍されることを期待して、私からの挨拶といたします。