2011年04月04日
川崎汽船株式会社
重量物輸送船社SALグループの完全子会社化
当社は、2007年4月に欧州のグループ会社を通じ、ドイツ重量物輸送専業船社SALグループのシェアの50%を購入し、役員2名他の人員を派遣、既存パートナーと共同で経営を行って来ましたが、2011年6月末を以って全シェアを買取り、完全子会社化することで、パートナーと基本合意に達しました。
世界経済の回復に伴い、エネルギー開発、インフラ整備に不可欠な重量物船事業は今後も発展が見込めます。特に、2010年12月と2011年3月に竣工した最新鋭船2隻は、SWL2,000トンという世界最大の吊り上げ能力を有するクレーンと、DP(Dynamic Positioning System)を装備しており、洋上の石油・ガス開発施設や洋上風力発電施設向け輸送にもその性能を大いに発揮します。この分野では、川崎汽船が行っているオフショア支援船事業、ドリルシップ事業等とのシナジー効果が期待されます。当社グループの総合力を活かして重量物船事業をより強化し、非コンテナ船事業比率の向上に繋げる好機と判断し、全シェア買取を決断しました。
完全子会社化後も、SALグループの社名、本社所在地は変更せず、従業員も全員雇用を継続します。また、現パートナーの一人であるLars Rolner氏に新会社のCEOを委嘱します。重量物船業界での高いブランド力と現地経営陣及び従業員の豊富な経験と知識を活かし、重量物船事業を当社のコア事業に発展させていく方針です。
SALグループは、Heinrich Familyにより1865年に創設され、第一船“Amoenitas”がドイツのSietas造船所にて竣工して以来長年重量物船事業行っている歴史のある会社です。全世界に120余名の社員、ドイツ人船員約100名とフィリピン人船員約400名を抱え、営業・運航・船舶管理を全て自社グループで行っています。現在16隻の重量物船を保有・運航し、その船隊は、高いクレーン能力(SWL:600トン~2,000トン)と重量物運搬船としては最速の約20ノットという航海速力を有しております。また、高い環境基準を満たしており、重量物輸送専業船社として初めて、HSE(Health, Safety and Environment)の資格(OHASAS18001、ISO14001)を取得しております。