2012年09月18日

川崎汽船株式会社

 

当社フィリピン研修施設のShip Simulator & Bridge Teamwork訓練コースが
日本海事協会の認証を取得

フィリピンのマニラにある当社船員研修施設K Line Maritime Academy (注3) (Philippine) {KLMA (Phil)}は、一般財団法人日本海事協会から、 Ship Simulator & Bridge Teamwork (注1) 訓練コース (以下:SSBTと呼ぶ) が国際海事機関IMO (注2) により策定されたモデルコースに則った訓練として認証されました。

 

SSBTはSTCW条約要件の訓練で、船長・航海士に対して実施が義務付けられている訓練です。

 

KLMA (Phil) では、これまでもECDIS (注4) 訓練コースが、日本海事協会により認証されており、今回のコース認証により、当社の船員教育の中核を成すKLMA (Phil) のSSBTについても、グローバルスタンダードを充たす高品質な訓練であることが証明されました。

( KLMA (Phil)におけるSSBT訓練の様子 )
拡大
( KLMA (Phil)におけるSSBT訓練の様子 )
( KLMA (Phil)におけるSSBT訓練の様子 )
拡大
( KLMA (Phil)におけるSSBT訓練の様子 )
 (日本海事協会 冨士原副会長(左)から認証書を受取る当社佐々木専務(右))
拡大
(日本海事協会 冨士原副会長(左)から認証書を受取る当社佐々木専務(右))

 

この審査に先立ち、第12回アジア海事シミュレータ学術会議 (注5) がマニラで開催され、当社は同会議開催に全面的に協力し、KLMA (Phil) がその会場となりました。 会議では、海事シミュレータに関する研究発表及び活発な議論がなされ、KLMA (Phil) インストラクターも同会議にオブザーバーとして出席し、海事シミュレータに関する研究内容を知ることにより、シミュレータを用いた教育に関する知識を深めました。

 

コース認証の授与式が、2012年9月7日、日本海事協会本部にて行われ、日本海事協会から冨士原康一副会長、当社から佐々木真己専務執行役員が出席しました。

当社はKLMAを通じ、当社船員に均一な訓練を受講させており、今後も第三者認定機関による客観的な評価を取り入れることで、さらに高品質でグローバルスタンダードに沿った訓練を行うことにより、安全運航を徹底していきます。

  

(注1): Ship Simulator & Bridge Teamwork (SSBT) 訓練
航海士を対象とした、操船シミュレータを使用し、STCW条約に規定される航海当直実施のための能力及び、通常または緊急時における効果的なブリッジチーム要員のチームワークを習得するための訓練。今後、STCW2010 マニラ改正に伴い訓練内容が見直される見込み。
当社では、更なる安全運航を確保するため、SSBTの他に、東京海洋大学との共同研究により構築された、ブリッジリソースマネージメント/ブリッジチームマネジメント (BRM/BTM) 訓練も追加で実施している。
(注2): IMO
International Maritime Organizationの略で、海運・造船に関する技術や法律的問題について、政府間の協力の促進や条約の策定などを行っている国連の専門機関。
(注3): K Line Maritime Academy (KLMA)
当社における船員のキャリアパスを含んだ教育プログラムと研修機関の集合体

 

(注4): ECDIS 
Electric Chart Display and Information Systemの略で、海図上に本船位置をGPS表示し、レーダーによる障害物、危険海域の警報など、様々な情報と組み合わせることで安全運航を支援する機器。今後順次、国際航海する船舶に搭載が義務付けられる。
(注5):アジア海事シミュレータ学術会議
海事シミュレータ研究にかかわるアジア地域の国際学会であり、海事シミュレータ技術を応用した各種研究に 携わるアジア地域の専門家が一堂に会して最新の研究成果を発表し意見交換を行う場