2013年06月05日
川崎汽船株式会社

 

国際石油開発帝石株式会社(INPEX)ならびにINPEX/TOTAL(仏)合弁会社向け 新造LNG船2隻 長期定期傭船契約・造船契約締結の件

 

  当社はこのたび国際石油開発帝石株式会社(以下、INPEX)の子会社、並びにINPEXとTOTAL(※)の双方子会社の合弁会社と、新造LNG船各1隻、計2隻の長期定期傭船契約を締結いたしました。
  また同時に三菱重工株式会社(以下、三菱重工)、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)とそれぞれ1隻ずつ当該新造船の造船契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。

(※) TOTAL(トタール) : フランスの石油メジャー

 

INPEXは西豪州において操業主体(オペレーター)として、TOTAL他とともにイクシスLNGプロジェクトの開発を進めており、当該新造船2隻は2016年末より生産が開始されるLNGの輸送に投入される予定です。

 

1. 新潟県直江津基地(INPEX受入基地)向け新造船

  当社とINPEX子会社は、共同出資会社(※)Ocean Breeze LNG Transport社(以下、OBLT社)を設立いたしました。
  OBLT社は三菱重工との間に造船契約を締結すると同時に、INPEX子会社との間に長期定期傭船契約を締結いたしました。 本船は、西豪州(イクシスLNG)からINPEXの直江津基地向けのLNG輸送に従事する予定です。
  本船には三菱重工が開発した、船体とタンクカバーが一体構造化になった「さやえんどう」船型を採用し、船体重量軽量化と風圧抵抗軽減化を図ることによって、燃費性能向上を実現します。

(※) 出資比率 : 当社70%、INPEX 子会社30%

 

2. 台湾CPC(台湾中油股份有限公司)向け新造船

   当社は、川崎重工との間にLNG船の造船契約を締結すると同時に、INPEXとTOTALの双方子会社の合弁会社であるIT Marine Transport社との間に長期定期傭船契約を締結いたしました。

 

  本船は、西豪州(イクシスLNG)から台湾CPC Corporation向けのLNG輸送に従事する予定です。
  本船は、川崎重工が新たに開発した世界最大のモス型LNG船であり、モス型LNG船としては初めてDFDエンジン(※)採用し、幅広い船速域における低燃費運航を実現します。

 

(※)Dual Fuel Diesel(2元燃料ディーゼル)の略で、燃料油とガスの両方を焚くことができるエンジン。

 

  当社は、本年4月に中部電力株式会社と新造LNG船の長期傭船契約を締結しており、今回の2隻と合わせ、本年に入り新造船3隻の長期定期傭船を締結したことになります。
  中期経営計画“Bridge to the Future”で掲げた安定収益体制の構築に向けて、1983年に就航した日本船社初のLNG船「尾州丸」以来蓄積した30年間のノウハウとネットワークを生かし、拡大を見せるLNGトレードとともに変化する顧客ニーズに的確に対応し、更なるLNG輸送事業の拡大に取り組みます。

 

〔新造船主要目〕

(※) ボイルオフレート:カーゴタンク容積に対するLNGの自然気化率で、タンクの防熱性能を表す。
本船で採用されている0.08%/日は従来LNG船(0.15%/日)比で防熱性能を2倍に向上させた世界最小値。

 

 

<竣工後のイメージ図>

(三菱重工)
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(三菱重工)
  (川崎重工)
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(川崎重工)