2015年07月01日
川崎汽船株式会社
最新型操船シミュレータ導入による安全運航への取り組みの強化について(川崎汽船研修所)
当社の事業基盤である「船舶の安全運航と環境保全」への取り組みの強化策として、当社の海事技術者育成システム「K-Line Maritime Academy(KLMA)」の中核のひとつである「川崎汽船研修所(東京都町田市)」に、船長・航海士の訓練施設として、最新型の操船シミュレータを導入いたしました。本機器は当社が今年度より投入する14000TEU型メガコンテナ船の操船訓練に対応するなど、近年の船型の大型化への対策も取り入れております。これにより、当社グループの基本方針「船舶を安全に運航し、海上における人命、貨物及び環境を守る」を担う船長・航海士の教育を、より効果的に行えるようになりました。
操船シミュレータの導入に合わせ、同機器を用いたBridge Resource Management(BRM) 研修のコース認証を、日本海事協会より取得いたしました。BRM研修はSTCW条約要件の訓練で、船長・航海士に対して実施が義務付けられている訓練です。
今回のコース認証取得により、KLMAのBRM研修が、グローバルスタンダードを充たす高品質な訓練であることが証明されました。
(操船シミュレータとBRM訓練の様子 )
また、操船シミュレータ導入に合わせ、同研修所単体での品質マネジメントシステムを構築、ISO 9001の認証を日本海事協会から取得しました。
(日本海事協会 冨士原副会長(左)から認証書を受取る当社 綾執行役員(右))
当社はKLMAを通じ、当社船員に均一な質の高い訓練を受講させることで、安全運航を徹底してまいりました。今後も、第三者認定機関による客観的な評価を取り入れることで、さらなる高品質でグローバルスタンダードに沿った訓練を行うことにより、安全運航の徹底を図ってまいります。
(注1):K Line Maritime Academy (KLMA)
当社における船員のキャリアパスを含んだ教育プログラムと海外4箇所に展開する研修機関も含めた集合体
(注2): Bridge Resource Management (BRM)
BRMとは、船橋(操舵室)においてチームワークを強化し、また航海計器や情報等を有効に活用することによって、船舶の安全な航行を目指すマネジメント手法のこと。STCW条約にてBRMに関する知識・スキルが、船長・航海士の能力要件として定められている。
(注 3):STCW 条約 (The International Convention on Standards of Training, Certification and Watch Keeping for Seafarers, 1978)
1967年に英仏海峡にて発生した石油タンカーの座礁事故を契機に、船員の質の向上を目指すために制定された、船員資格の国際基準を定めた条約。1984年に発効。その後も海難事故の人的な要因に関する包括的な見直しが行われ、2010年6月に2回目の改正(マニラ改正)が行われている。