2026年6月8日
川崎汽船株式会社

 

 川崎汽船株式会社(以下「当社」)は、船上で実施しているM0(Machinery Space Zero Person、エムゼロ)チェックのデータを収集・管理するシステム「電子M0チェックシステム」(以下「本システム」)を開発し、当社管理船に導入することを決定しました。本システムの導入により、乗組員の点検時における作業負担の軽減と安全性の向上、点検データの有効活用を図ります。船上での試験運用を2024年から2026年にかけて複数回実施しており、2026年7月ごろから順次、正式導入する予定です。

 

 M0運転は、船舶の航行中や停泊中の夜間などに、機関室内に当直の船員を配置せず無人とする運転形態です。このM0運転前に実施する点検・検査業務がM0チェックで、点検項目は約1,000項目に上ります。これまでは機関士をはじめとする乗組員が紙媒体に点検データを一つずつ記録していましたが、記録中は両手がふさがるため、足場が不安定な場所や船体が揺れている状況では転倒や転落のリスクがありました。

 

 こうした課題を解決するため、当社はスマートフォンと専用アプリケーションを活用して点検情報を記録する本システムを開発しました。本システムでは、スマートフォンを活用することで片手でのデータ入力が可能となり、もう一方の手で身体を支えながら安全に点検を行えるため、転倒や転落のリスク低減につながります。また、記録紙を廃止することで、印刷や保管にかかる費用や作業負担の軽減に加え、環境負荷の低減にも寄与します。

 

 従来、点検情報は船舶ごとに紙媒体で保管していましたが、本システムの導入により、情報を一元的に集約し、長期にわたって蓄積することが可能となります。これにより、機器の状態変化を継続的に把握でき、異常の見落とし防止や早期発見につながります。将来的にはAIを活用してデータを分析することで、より高度で計画的な安全管理の実現を目指します。

 

 今回の取り組みは、将来的な船舶データの利活用に向けた基盤整備の第一歩となるものです。当社は今後も船上や船舶管理の現場において最新のデジタル技術を積極的に導入し、乗組員の安全性の向上と負担軽減を図ります。海陸一体となって安全運航を一層推進するとともに、輸送サービスの品質向上と環境保全に努めてまいります。

 

【電子MOチェックシステム(スマートフォン画面)】

【電子MOチェックシステム(スマートフォン画面)】

【デバイス構成(計測用スマートフォン&データ管理用PC)】

【デバイス構成(計測用スマートフォン&データ管理用PC)】