2024年4月1日 
川崎汽船株式会社

 

本日行われた入社式での当社代表取締役社長 明珍幸一による挨拶をお知らせします。

 

 

 皆さん、入社おめでとうございます。

 

 今日ここに陸上職42名、海上職13名の皆さんを当社の大切な仲間として迎え入れられたことを本当に嬉しく思います。

 

 皆さんの緊張しながらも清々しさに溢れた顔からは、学生としての時間を全うし、これから社会人として新たな挑戦をすることへの期待や覚悟を窺うことができ、とても頼もしく思います。

 

 いまだ終わりが見えないロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、厳しさを増すイスラエル・パレスチナ情勢、米中関係の冷え込みなど、地政学リスクが顕在化しています。また紅海では一般商船が攻撃されるなど航行の自由と安全が脅かされる事態が起きています。今年は主要国で大統領や議会の選挙が予定され、世界情勢は大きく変化することが予想されます。このような状況においても、当社は海運業としてグローバルインフラの重要な役割を担っており、急速な変化に対して柔軟に対応しつつ、サプライチェーンを守る事で人々の生活や経済を支えていかなければなりません。

 

 今年、2022年度から始まった 5年間の中期経営計画が折り返し地点を迎えます。成長を牽引する役割を担う事業を中心として、お客様から選ばれ続ける会社であるために、当社の強みや競争優位性を如何に強化するのかを見つめ直し、持続的成長と企業価値向上に向けてより高みを目指して新たな目標設定に着手しています。


 特に、自社・社会の低炭素・脱炭素化への取り組みを進めており、LNG/LPG 燃料を始めとする代替燃料船の導入、自動カイトシステムやK-IMSなどビッグデータを活用した最適経済運航などによる徹底した省エネ活動や、洋上風力発電支援事業や水素・アンモニア輸送事業への参画に取り組んでいます。今年はいよいよノルウェーでの世界初のフルスケールCCS事業であるNorthern Lights社との液化CO2輸送がスタートします。海陸、技術、営業が力を合わせ、また多様な価値観を有する当社グループの仲間と共に、成長市場であるアジアを中心とした世界中でこれらの取り組みを結実させていきます。また、安全で最適な顧客サポートにおいては、人間力に加えてデジタル技術を活かすことも必要不可欠であり、全社でのDX教育を進めていきます。

 

 海上職の皆さんは、本船運航の最前線で「安全運航」の要として活躍を期待される重要な存在です。乗船勤務の機会を大切にし、経験を積み重ね、知識と技能を蓄積してください。そして諸先輩方が築き上げた安全運航への取り組みや船舶に関する技術をしっかりと継承し、常に「安全」を最優先に業務に取り組んでください。これによって、当社の強みを磨き上げ、競争力の源泉となる高度な安全・輸送品質を実現することができます。

 

 今日から皆さんは、これら取り組みを進める川崎汽船の一員となりました。安全で高品質かつ環境にも優しいサービスの提供を通じて、物流インフラを支えることで、人々の豊かな暮らしに貢献し、さらなる企業価値の向上に向けて力を合わせ、一丸となって取り組んでいきましょう。

 

 本日は誠におめでとうございます。