2021年4月1日 
川崎汽船株式会社

 

本日行われた入社式での当社代表取締役社長 明珍幸一による挨拶をお知らせします。

 

 

 皆さん、入社おめでとうございます。

 

 本日、皆さんが一員となった川崎汽船は、国際的な物流インフラを担う企業として、世界の人々の暮らしや経済を支えています。原材料やエネルギー資源、それらを使って作られた製品など、私たちが運ぶものは日々の生活や経済活動になくてはならないものです。ちょうど1年前の4月、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発出され、不安な状況下での生活を余儀なくされました。その中でも、衣食住を支える電気やガス、食料品など生活物資の供給が途絶えなかったのは、多くの人たちや産業の尽力によるものです。私たちも、エッセンシャルワーカーの一員として、様々な対策を講じ、海上輸送を止めることなく、その役割を果たしています。

 

 一方、新型コロナウイルスという目に見えない極小の存在に翻弄され、私たち人類は、自然の一部であることを、改めて認識しました。コロナ禍での経験を通じて、温室効果ガスによる地球温暖化や、海洋プラスティックなど、人間が自然に及ぼす様々な影響を見直すこととなり、持続可能な社会の実現に向けた取組みの重要性をより切実に感じています。私たちは自然界の一人として、地球環境、そして限りある資源の保全に責任を持って取り組まねばなりません。物流インフラとして社会を支える海運の一員として、今後さらにサステナビリティ経営を強化する方針です。

 

 皆さんより数週間早く、先月半ばに1隻の自動車専用船が竣工し、当社の仲間入りをしました。本船は当社で初めてLNGを燃料とし、CO2排出を従来より凡そ30%削減した次世代環境対応船です。船名は”Century Highway Green”。当社自動車船の伝統ある船名に環境との調和をイメージした”Green”を合わせた命名であり、一昨年創業100年を迎えた当社が、新たな世紀を、自然環境を守って持続可能な未来を実現していくという思いも表したネーミングです。日本政府も、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標に掲げ、脱炭素の流れが加速化するなか、当社もハードやソフトの技術を磨くことで、お客様からの要請に応えていきたいと思います。

 

 事業環境は絶えず変わり続けますが、当社に求められる社会的使命や社会に提供する価値は変わりません。「安全・環境・品質」という当社の強みを受け継ぎ、今後の川崎汽船を担っていくのは皆さんです。そのためには何が求められ、自分が如何に貢献できるのかを問いながら、今日より明日、明日より1年後に一歩でも先に進めるよう自己研鑽を積み重ね、挑戦を繰り返し、当社の新たな歴史を築いていただきたいと思います。

 

 本船運航の最前線で活躍する海上職の皆さんは、「安全・環境・品質」の要です。諸先輩の積み上げてきた知見や技術をしっかり継承し、安全を最優先として業務に取り組んでいただくようお願いします。安全運航を遂行し、環境への負荷を抑えつつ、高品質な輸送サービスを提供し続けることが、当社の競争力の源泉です。

 

 最後になりますが、今日から皆さんが、心身ともに健康で川崎汽船グループの一員として力を発揮されることを祈念し、私からの挨拶とさせていただきます。
 

 本日は誠におめでとうございます。