本日行われた入社式での当社社長 明珍幸一による挨拶をお知らせします。

 

 

 新入社員の皆さん入社おめでとうございます。

 

 100年を越える歴史の中で、当社は幾多の荒波を乗り越え、常に新しい発想で他社に先駆けた取り組みを心掛けて来ました。我々の先輩方が築き上げてきた安全で高品質なサービスをさらに磨くためには、何が足りないか。自分が如何に貢献できるのか。変化を先取りし、これまでのやり方を是とせず、幅広く視野を広げて常に見直す姿勢が大切になります。皆さんには、先ず、上司や先輩からしっかり担当業務を学んでいただいたうえで、従来の発想に捉われず、果敢に新たな取り組みに挑戦するようお願いします。

 

 荒波といえば、我々が現在直面している新型コロナウイルスも例外ではありません。生産・供給体制のネットワークが全世界に張り巡らされるなか、資源輸送から製品輸送に至るまでグローバルな物流網を展開する当社グループもその影響を受けることになります。インフラの一翼を担う者として最新の情報を集め、迅速に対処することで、事業への影響を抑えるべくグループを挙げて取り組んでいるところです。各国が一致団結し、沈静化に向け尽力しており、一刻も早く事態が収束することを願うばかりです。

 

 今年度から新たな中期経営計画がスタートします。我々の強みである『安全』、『環境』、『品質』にさらに磨きをかけて、常にお客様に頼られ、選ばれる会社となることを目指します。AI、IoTをはじめとする最新情報技術の飛躍的な進歩、地球温暖化に対応した環境規制の高まりなど、我々を取り巻く事業環境は大きな変革の時を迎えています。当社も、先人が積み上げた知見をデジタル化し、本船からの気象、海象、機関運転状況などの情報を適時把握、活用することで安全運航と輸送品質のさらなる向上に取り組んでいます。

 

 環境保全では、温室効果ガス(GHG)削減のため、10年後の2030年までに、2008年比4割の燃費効率改善を求められています。LNG燃料やさまざまな省エネ技術の導入に加えて、Seawingなど風力利用の最新のハード、またAIやビッグデータ活用による最適運航などのソフトも総動員することで実現を図ります。その先には、脱炭素化に向けた水素やアンモニア燃料など、さまざまな挑戦が我々を待っています。

 

 事業環境は絶えず変わります。変化に備え、広く知見を深めて、お客様のニーズを汲み取る。当社ならではの価値を提供することで、お客様から頼られるプロとなるよう、ともに切磋琢磨していきましょう。

 

 いかなる時も、大切なお客様の貨物を預かり、安全に輸送するという使命に変わりはありません。本船運航の最前線で活躍を期待される海上職の皆さんには諸先輩方が100年の間、積み上げて来た『安全運航』への取り組み、船舶に関わる技術をしっかり継承し、『安全』を最優先で業務に当たるようお願いします。

 

 最後になりますが、今日から皆さんが、心身ともに健康で川崎汽船グループの一員として力を発揮されることを祈念して、私からの挨拶とさせていただきます。

 

 本日は誠におめでとうございます。