2019年12月4日
当社は川崎重工グループと共同開発した統合船舶運航・性能管理システム『K-IMS』を2016年3月から本格運用しており、運用開始後も継続して安全・経済運航の強化を図る目的で当該システムの追加開発(Phase-2)に取り組んで参りましたが、この度、追加開発が完了いたしました。
今回の開発で追加しました主要アイテムは次の通りです。
新規開発アイテム |
目的 |
概要 |
KPI-Monitor |
安全性/ |
燃料消費量、機関出力、待機時間等の目標値を定め、実運航と目標値の差異をシステム内で可視化、アラート機能も追加し問題点をより迅速に修正できるようになりました。 |
Performance Evaluation |
経済性向上 |
各船の性能(船速、出力、燃料消費量など)を現在、就航直後、入渠前後など任意の期間における変化を可視化することで、本船の性能悪化と原因の特定をより早く確認できるようになりました。 |
船体汚損評価 |
経済性向上 |
気象海象の影響を除き、燃費に与える影響が最も大きい船底の状態(海洋生物の付着や塗料の効果)を把握しやすくなりました。 |
最適トリム計算 |
経済性向上 |
燃費が最も良い船体姿勢(最適トリム)を過去の実船計測データに基づいて個船毎に算出する機能。一部船型にてプロトタイプ版が完成しました。 |
簡易表示機能 |
安全性/ |
運航船情報の中でも主要な船速、燃料消費量、本船位置等をスマホ端末から確認可能となり、より容易に本船の運航状況を確認できるようになりました。 |
最適運航支援 |
安全性/ |
ECDIS(電子海図情報表示装置)で作成した航路計画をK-IMSに自動読込み出来る機能を追加しました。(従来はK-IMS上で手動入力) |
サーバー構成 |
基盤強化 |
ビッグデータ化(データ収集船の増加や演算処理の高速化)に対応する為にサーバー構成の最適化を実施しました。 |
データ送受信監視機能強化 |
基盤強化 |
洋上での通信事情等による受信データの未達を自動的に管理者に知らせる機能を追加しました。 |
川崎汽船グループは、今回の開発で得られた新機能を含めた本システムの有効活用を図るとともに、現在取り組み中の機関プラント運転支援並びに故障予知診断機能の開発にも引き続き注力し、これまで以上に安全運航と経済運航を推進することで環境保全に向け取り組んで参ります。
K-IMSの初期開発(Phase-1)の詳細については、以下のサイトをご参照ください。
http://www.kline.co.jp/news/detail/1205228_1454.html
(新開発画面サンプル)
< Performance Evaluation (Speed Consumption) >
< Performance Evaluation (Performance Trend) >
< KPI Monitor (Comparative Vessels & Each Vessel) >
< 簡易版 (スマートフォン画面用) >
本船の運航状況がスマートフォンでも閲覧出来るようになりました。