LNG燃料鉱石運搬船の設計基本承認を共同取得

2019年8月5日
川崎汽船株式会社

 

　当社はこの度、株式会社名村造船所（以下、「名村造船所」）と共同で、欧州の船級協会であるDNV GL（本部 ノルウェー・オスロ）よりLNGを燃料とする鉱石運搬船の基本承認（AIP；Approval in Principle）を取得しました。

 

　本共同研究は、2017年に名村造船所が当社向けに建造した第二世代WOZMAX ® *¹をベースに、下記のような環境負荷低減と実運航上の要求の両立が可能な船舶の開発に取り組んだものです。

• WOZMAX®と同等の載貨重量と常用速力を維持
• LNG燃料でシンガポール～南米を往復可能な航続距離を確保（大容量のLNG燃料タンクを船体中央区画に配置）
• 主燃料を重油燃料からLNG燃料へと変更することによりEEDIフェーズ３*²を達成

 

本船要目の比較

	WOZMAX type GF	第二世代WOZMAX®
主要寸法	船長 約329.9M x 幅 57.00M x 深さ 25.60M	同左
載貨重量	約250,000重量トン	同左
航海速力	14.3ノット	同左
主機関	二元燃料ディーゼル機関 x 1基	MAN-B&W 6G80ME-C9.5 x 1基
燃料タンク	船体中央部にLNG燃料タンクを装備	重油燃料貯蔵タンクを装備
航続距離(LNG燃料)	星港～南米を就航可能な航続能力を確保	-

 

　また、本研究では、LNG燃料対応の他、軸発電機・バイナリ発電・リチウムイオン畜電池を組み合わせたシステムの検討など、さらなるCO2排出の燃費削減を目指す研究にも取り組み、本システムを設置の場合は約４％の燃費削減効果を確認しました。

　当社は環境に関わる長期指針『”K”LINE環境ビジョン2050』*³で掲げた効率的な運航、CO2や環境汚染物質排出量の削減に取り組んでおり、本研究もその取り組みの一つとして2050年のゴールに繋がるものです。

 

　船舶から排出される温室効果ガスが環境に与える影響に対する関心が年々高まっており、当社は長期指針『”K”LINE環境ビジョン2050』に基づき、エネルギー効率に優れた船を建造・運航することで、より環境負荷の少ない海上輸送を推進し、地球環境保全に貢献してまいります。

 

*1 WOZMAX (ウォージーマックス：株式会社名村造船所の登録商標)：西豪州主要3港に入港できる最大船型となる25万トン積み鉱石専用船。
 

*2 EEDIとは、1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出されるCO2グラム数で、フェーズ３では、1999年～2008年建造船のEEDI平均値に対して30%の削減率が求められる。
 

*3 『”K”LINE環境ビジョン2050』の詳細は当社ウェブサイトを参照。
　　⇒https://www.kline.co.jp/news/detail/1202374_1454.html