2025年3月25日
川崎汽船株式会社
川崎汽船株式会社(以下、「当社」)の連結子会社である株式会社ダイトーコーポレーション(以下、「ダイトーコーポレーション」)は、2024年11月8日に建造を決定した、2027年5月竣工予定の電動タグボート(以下、「EVタグ」)(注1)の建造資金として横浜市が策定する「横浜港CNPサステナブルファイナンス・フレームワーク」(以下、「本フレームワーク」)(注2)を活用し、株式会社みずほ銀行との間でグリーンローンに関する融資契約を締結しました。
本フレームワークは横浜市が港湾脱炭素化推進に向けて策定した第三者利用のための資金使途特定型フレームワークです。本フレームワークを使用した資金調達は、第三者評価機関であるノルウェー船級協会のDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社(以下、「DNV」)からセカンド・パーティー・オピニオン(注3)を取得しています。また、EVタグの建造は本フレームワークにおける「クリーンな輸送」に分類されるグリーンプロジェクトとして「グリーンローン」(注4)の適合書簡(Letter of Conformance(注3)をDNVより取得しました。なお、本フレームワークを活用した資金調達は、本件が第一号となります。また、このような自治体が策定する資金使途特定型のフレームワークを民間企業が活用する事例は本邦初となります。
今回の本船評価にあたっては、船型改良・電気推進化・新しい操船装置等を連携させ、非化石エネルギー転換を図り運航効率を上げる事、また非化石エネルギーとしてリチウムイオンバッテリーを採用することにより、約60%のCO2排出削減を実現することが高く評価されています。
当社グループは、環境に関わる長期指針「“K” LINE 環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」(注5)の中でグループの環境マネジメントを推進するための体制「DRIVE GREEN NETWORK」を構築・運用し、グループ一丸となって環境保全に取り組んでいます。当社グループは引き続き自社の低・脱炭素化ならびに社会の低・脱炭素化支援を推進し、人々の豊かな暮らしに貢献してまいります。
【EVタグ 仕様】
寸法 : 全長 33.4M x 全幅 9.6M x 喫水 4.0M
適用規制 : JG
総トン数 : 199トン級
最大速力 : 14.0ノット
最大曳航力 : 48トン(前進時)
推進システム : 電気推進システム
バッテリー容量 : 約3.2MWh
【EVタグ 概要】

(注1) 2024年11月8日付:ダイトーコーポレーション、電動タグボートの建造を決定
https://www.kline.co.jp/ja/news/logistics/logistics-20241108.html
(注2)横浜市が本日公表した「横浜港港湾脱炭素化推進計画」に基づき、民間企業等が「港湾脱炭素化促進事業」として位置付けた取り組みであれば、自社でフレームワークを策定せずにサステナブルファイナンスにアクセスが可能になる枠組み
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/yokohamako/kkihon/torikumi/cnp/ycnpfw.html
(注3)
https://webmagazine.dnv.co.jp/sus_finance_list.html
(注4)グリーンローン
「グリーンローン原則」(下記参考をご参照下さい)に準拠し、環境課題の解決・緩和に資する事業の資金を調達するために実行されるローン
(参考) グリーンローン原則
Loan Market Association とアジア太平洋地域業界団体Asia Pacific Loan Market Associationが2018 年3 月に策定した環境分野に使途を限定する融資の国際ガイドライン。2018 年12 月にはThe Loan Syndications and Trading Association に参画。
(注5)「“K”LINE環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」
GHG削減のアクションプランとして、アンモニア・水素燃料といったゼロエミッション燃料、およびバイオLNG、合成燃料等のカーボンニュートラル燃料の導入を掲げています。
https://www.kline.co.jp/ja/sustainability/environment/management.html