2020年7月21日
川崎汽船株式会社

 

このたび、一般社団法人日本船主協会が解撤幹事会(以下「解撤幹事会」)を中心に取り組むグリーンシップリサイクル推進活動が、公益社団法人日本船舶海洋工学会より「社会貢献賞」(注1)の表彰を受けました。

 

 この活動は、解撤幹事会が官民労使と一体となって、安全や環境に配慮したグリーンでクリーンなシップリサイクルの推進を行ってきたものです。解撤幹事会では、10年以上前から主要シップリサイクル国関係者にリサイクルヤードの改善を継続的に働きかけてきました。また船主国政府や船主団体への「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」(通称「シップリサイクル条約」)の批准の働きかけは、安全・環境に配慮したシップリサイクルの国際的な実現につながりました。これらの取り組みが評価され、今回の表彰となりました。

 

 当社も解撤幹事会の中核メンバーとして、主要シップリサイクル国であるインドやバングラデシュへの派遣調査団への参加、国際条約基準充足ヤードでのシップリサイクルの推進、国際条約発効の必要性を国際セミナーや諸政府間会合での訴求といった活動を行ってまいりました。
 また当社としての活動においても、2010年に日本政府による先進国型シップリサイクルシステムのパイロットモデル事業に船舶を提供(注2)、2015年には一般財団法人日本海事協会がインドでシップリサイクル条約に適合したヤード設備や作業の認証評価制度を確立するにあたってトライアル船を提供(注3)するなど、わが国関係者が一体となった、安全で環境にやさしいシップリサイクルの推進に協力してきました。

 

 当社は環境憲章で循環型社会の形成に努めることをうたい、環境に関わる長期指針「環境ビジョン2050」ではグリーンシップリサイクル対応の強化をアクション・プランに定めています。今回の日本船主協会の受賞を機に、責任ある船舶の解体を含めたサステナビリティ経営をさらに進めてまいります。


(注1)海事に関わる環境保全活動や災害復興活動、青少年に対する啓発活動などの、特筆すべき社会貢献を実施している個人または団体に対する表彰。

 

(注2)国土交通省による船舶解体の実証実験、環境影響・事業性評価等のモデル事業で使用する船舶を日本船主協会が募集、当社から自動車専用船「にゅーよーく はいうぇい」を提供。

 

(注3)インド グジャラート州アラン地区での解体にばら積み船「CAPE FLORA」を提供。
 

室蘭港で解体中の”NEW YORK HIGHWAY” (2010年)
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-3622271863163572190.html

解撤幹事会が日本政府、日本海事協会とともにインドグジャラート州を訪問。(2012年2月)