2019年12月19日
川崎汽船株式会社
川崎汽船株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:明珍幸一、以下「当社」)は、豪州における未利用褐炭から製造されたCO2フリー水素を液化し、日本へ輸送する国際的なサプライチェーン構築にむけた実証事業に取り組む「技術研究組合 CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(以下「HySTRA」)」(※)に、液化水素運搬船の運航支援を行う企業メンバーとして参画いたしました。
HySTRAは、将来における安価で安定的なCO2フリー水素の供給に向け、「褐炭からの水素製造」、「液化水素の長距離大量輸送」および「液化水素荷役」という製造、輸送・貯蔵、利用に至るサプライチェーンで必要となる技術の確立と実証を目的として、2016年に結成されました。現在、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の支援を受け、パイロット実証に取り組むとともに、2030年頃の当該技術の大規模な社会実装に向けて商用化検討が実施されています。
<液化水素運搬船 概要>
船名: すいそ ふろんてぃあ
全長:116.0m 国際総トン数:約8,000トン
全幅:19.0m 航速:13ノット
深さ:10.6m 喫水:4.5m
定員: 25名 タンク容量:1,250CBM
船籍:日本 造船所:川崎重工業(株)
当社は、LNG、LPG等の液化ガス輸送船の保有・運航に長年にわたり従事し、安全運航や安全荷役に対しての技術と知見を蓄積してまいりました。こうした実績をふまえ、当社は今回のパイロット実証において、12月11日に川崎重工業株式会社神戸工場にて進水した液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の国内における運航試験(実証試験)に協力し、安全運航・管理技術の提供を通じて貢献いたします。
川崎汽船グループは環境に関わる長期指針「環境ビジョン2050」に基づいてGHG排出削減の取り組みを促進し、世界中の多くの人々へ環境により低負荷で高効率な物流サービスを提供して参ります。さらに、低炭素社会、脱炭素社会実現の担い手の有力候補と目される水素のサプライチェーン構築に寄与することが、当社の理念に合致すると考え、今回、HySTRAへの参画を決定いたしました。
当社は、国際的な水素サプライチェーン構築においても、積極的に取り組み、水素エネルギー社会の実現に向けて貢献して参ります。
(※)HySTRAの概要
組織名 |
技術研究組合 CO2フリー水素サプライチェーン推進機構 |
略称 |
HySTRA |
設立 |
2016年2月 |
組合員 |
岩谷産業株式会社、川崎重工業株式会社、シェルジャパン株式会社、電源開発株式会社、丸紅株式会社、JXTGエネルギー株式会社、川崎汽船株式会社(今回加入) |
理事長 |
原田 英一 (川崎重工業株式会社 執行役員) |
事業内容 |
褐炭を有効利用した水素製造、輸送・貯蔵、利用からなるCO2フリー水素サプライチェーンの構築を実現するため、2030年頃の商用化を目指した、技術確立と実証に取り組んでいます。 |
<参考>
1.HySTRA構成メンバー
2. HySTRAにおける当社の役割
豪州と日本におけるパイロット水素サプライチェーン実証事業のうち、HySTRAはNEDO助成を受けて、①褐炭ガス化技術、②液化水素の長距離大量輸送技術、③液化水素荷役技術の各実証試験に取り組んでおります。今回当社は、②液化水素の長距離大量輸送技術の実証試験に協力いたします。
HySTRA Webサイト: http://www.hystra.or.jp/