川崎汽船株式会社 代表取締役社長 明珍 幸一の画像

川崎汽船グループは企業理念である『グローバルに信頼される“K” LINE』を通じて、社会的価値と経済的価値の双方を実現し、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指します。

 

中期経営計画の初年度である2022年度は当社の自営事業が着実な利益を積み上げ、コンテナ船事業も上期を中心に高位の市況が継続したことで当期純利益は2年連続で過去最高益を更新いたしました。世界各地でサプライチェーンの混乱は収束しましたが、ロシアのウクライナ侵攻長期化や米中対立の懸念拡大やインフレ対策としての金利引き上げ、資源価格の高騰などの新たなリスクが世界経済に影響をおよぼしています。

 

コンテナ船市況が正常化プロセスを経るなか、引き続き海運業を主軸として事業領域を定め、自営事業においては当社が持つ知見と強みを活かすことができる『成長を牽引する役割』鉄鋼原料事業、自動車船事業、LNG輸送船事業を中心に経営資源を集中させることで、収益力を高めてまいります。また、顧客とのパートナーシップを通じて環境対応を推進し、成長機会を追求することで、新たな輸送需要にもしっかりと対応してまいります。中計で掲げている2026年度の収支目標である1,400億円の経常利益をコンテナ船と自営事業でバランスよく、前倒しで達成し、更に拡充すべく努めてまいります。

 

中計期間において合計6,300億円の投資を行い、成長を牽引する役割を担う3事業に約8割を集中、環境関連投資については、代替燃料船、脱炭素社会に貢献する新事業、環境対応付加物など、全体の約6割にあたる3,750億円を投資する計画です。顧客の低炭素、脱炭素化のニーズに応え、投資規律を徹底することで、事業収益の成長と環境負荷低減を両立させ、持続的な成長と企業価値向上を図ってまいります。

 

資本政策においては2022年度に過去最大となる約895億円の自己株式の取得と消却を実施するとともに配当は通期で1株当たり400円(株式分割後基準で中間配当100円、期末配当300円)を実施しました。営業キャッシュフローの改善に伴い、中計期間における株主還元額も下限5,000億円以上に引き上げています。2023年度以降の基礎配当を一株当たり120円とし、更に2023年度は一株当たり80円を加え通期で200円の配当を予定しています。基礎配当に加えて2023年以降に1,100億円規模の追加的な株主還元を行う計画です。最適資本構成を常に意識し、企業価値向上に必要な投資を行い、財務体質の健全性を維持しながらキャッシュアロケーションを踏まえた機動的な株主還元策を進めてまいります。

 

ステークホルダーの皆さまには引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

2023年6月

 

代表取締役社長 明珍幸一(こういち)の署名