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船のターボ付きエンジン


船のターボ付きエンジン

会話:カワサキ君×一等機関士

カワサキ君は機関室の騒音にも慣れ、最近では1人で機関室内を見学出来るようになりました。
機関室の真中にドシリと腰を据えているのが、この船を動かす原動力となっている主機関だと一等機関士のYさんに先日教わりました。随分と大きなエンジンだなあ……と1人で関心するカワサキ君でした。2000CCクラスの自家用車なら約100台、馬なら約12,000頭に匹敵する力が出せるそうです。
カワサキ君がまさにその側を通り過ぎようとした瞬間、キーン キーン という、まるで怪鳥の甲高い鳴き声のような大きな音が耳元で鳴りました。思わず、カワサキ君は20センチほど床面から飛び跳ねてしまいました。
その直後にエンジンの回転数が落ち、一等機関士のYさんがカワサキ君のいるところに飛んできました。肝をつぶしてただ茫然と立ちすくんでいるカワサキ君に、Yさんが声をかけました。

一等機関士

「びっくりしたでしょう。でも大丈夫、すぐになおるから」

と言って主機関の上に付いている過給機(ターボチャージャー)の廻りで作業を始めました。カワサキ君はしばらくその様子を眺めた後、コントロールルームでエンジンの回転数を調整している機関長に、何が起こったのか尋ねてみました。

サージング

一等機関士

「今のは過給機が汚れて、回転が不安定になったために生じた現象なんだ。専門用語でサージングといっている。放っておくと過給機が壊れて、主機関が止まってしまうことになるんだよ」

カワサキ君

「その過給機というのは、どんな役目をしているんですか?」

一等機関士

「カワサキ君は自動車のターボ付きエンジンという言葉を聞いたことがあるだろう? 船の過給機はまさにそれで、エンジンから排出された廃棄ガスのエネルギーを利用して、過給機の羽根を回転させ、その同じ軸の反対側に取り付けられた羽根で、空気を圧縮してエンジンに送り込む仕事をしているんだよ。この過給機が取り付けられたおかげで、小さなエンジンでも大出力が得られるようになり、排気ガスの有効性と併せて一石二鳥の効果があるんだ」

カワサキ君

「そうなんですか。ターボ付きエンジンという名前しか知らなくて、それがどんな役目をしているのか今まで知りませんでした。それで今、一等機関士のYさんがそのサージングの原因となった過給機の汚れを洗浄しているのですね」

過給機断面遮断図

一等機関士

「そう、中々飲み込みが早くなってきたね。過給機のほかにも同じようにエンジンの排気ガスを利用し、大気に放出する熱エネルギーを有効に回収する装置があるんだよ」

カワサキ君

「えっ、他にもあるんですか? それは自動車にも付いていますか?」

一等機関士

「残念ながら、船舶特有の装置だね。それは排ガスエコノマイザー(E.G.E.)と呼んでいて、煙突の中に取り付けられているんだ。簡単に説明すると、煙突の中に密集したパイプを設置し、その中に水を通し、主機関で仕事が済んだ排気ガスの熱量を熱交換させて、蒸気を発生させたり、水を加熱させてりして、有効に利用しているんだ。過給機と排ガスエコノマイザーは、船舶の出力アップと省エネには欠かすことの出来ない装置だけど、最近では燃料油の低質化に起因して、この装置のトラブルが増えているんだよ。一つは今回のサージングのように、燃焼不良等による排気ガスの汚れが原因となるケース。もう一つは、燃料中に含まれる硫黄分等の不純物による腐食が原因となるケースだ」

カワサキ君

「どうしてそんなに悪い油を使わなければならないのですか?」

一等機関士

「燃料代というのは、運航経費全体に占める割合が約20%と、かなりのウエイトになっている。運航経費を抑えるためには、安い低質油を使っていかなければならないんだ。例えばC重油は常温ではドロドロしているので、蒸気で加熱してやらなければならない。また、燃料油中に含まれるさまざまな不純物を取り除くために、油清浄機やフィルター(濾過器)といった低質油対策装置が必要なんだ。こいつがまたトラブルのもとでね。自動車のガソリンのように質の良い燃料油を使えば、機関室内の装置も随分と減って扱い易くなるんだがね」

カワサキ君

「自動車のガソリンとC重油の価格はどれぐらい違うのですか?」

一等機関士

「大体C重油がガソリンの5分の1、A重油はC重油の2倍と覚えておくといいよ」

カワサキ君

「へぇー、随分違うものですねぇ」

過給機の洗浄をしていた一等機関士のYさんが、汗を拭きながらコントロールルームに戻ってきました。

一等機関士

「ごくろうさん。それでは船長に知らせてエンジンの回転をあげることにしよう」

過給機が気持ち良さそうにキューンと唸りをあげ、徐々に回転が上昇しているのがわかります。
あらためて過給機を見上げて、その大きさに感心したカワサキ君でした。

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