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バンカーの話


バンカーの話

 本船がロングビーチ港外に到着し投錨すると、待ち構えていたように燃料油を満載したバージ(小型タンカー)が本船サイドに横付けしてきました。
 カワサキ君は、船長・機関長の許しを受け、この補油作業を見学することにしました。
補油といえば、名古屋を出港して二日目に機関長のOさんから、いろいろ話を聞いたことを思い出しました。ポケットからメモ帳を取り出し、当日を回想するカワサキ君でした。

名古屋港出港二日目

会話:カワサキ君×機関長

カワサキ君がエンジンコントロールルームで、機関長に船のエンジンの話しを聞いているとき、突然電話のベルが鳴りました。相手は船長からで、無線室に配船担当チームからE-mailが入っているということです。
機関長のOさんは無線室にE-mailを取りに行って、コントロールルームに再び戻って来ました。

機関長

「カワサキ君、ちょうどいい機会だから、一緒にバンカーの計算をしよう」

カワサキ君

「バ、バンカーって、何ですか?」

機関長

「ハハハ、別にゴルフをするわけでもなければ、船に銀行の方が来るわけでもないんだ。バンカーというのは、昔、船の燃料が石炭であった頃、石炭庫のことをこう呼んでいたんだが、石炭にかわって油が使われるようになっても、燃料を積み込むことをbunkeringといっている。燃料油は正確にはバンカーオイル又はフューエルオイルだけれど、船ではこれもバンカーと呼んでいるんだね」

カワサキ君

「なあんだ、燃料油のことですか」

機関長

「今来たE-mailは東京の本社の配船担当チームからで、ロングビーチで補給しなければならないバンカー量を知らせてほしいということだ。良い機会なのでバンカーの手配から補油までの流れを簡単に説明しよう」

カワサキ君

「はい、お願いします」

機関長

「本船がバンカーの補油量を計算する場合、配船担当チームの指示は大体大きく分けて二通りあり、一つは本船に積み込めるだけ積むというケースと、もう一つは次回の補油港まで必要とされる最少量を積み込むというケースがあるんだ。補油量の決定は非常に難しく、一番気を使うところでね。例えばこれで大丈夫と思って補油をしても、いざ航海に出てみると天候が悪く毎日シケられ、予想以上に燃料油を使ってしまうことがある。こんな場合は、目的地に着く前に燃料油が空になるという最悪のケースも想定されるんだ。そうかといって逆に必要以上に補油した場合は、それだけ燃料を余分に積み込んで運ぶことになり、特に喫水で入出港を制限されるコンテナ船やバルカーでは、積める荷物が少なくなってしまうから、収入にも大きく影響が出て来るんだ」

カワサキ君

「補油量を決める前も、決めた後も心配で、胃が痛くなりますね」

機関長

「そうなんだよ。でも、補油の適正化を図るために社内基準として、予備保有量は常用出力時の燃料消費量の三日分を持つことが決められているんだ。これに加えて、特殊な場合、例えば季節的要因(冬期の北太平洋、台風時期等)や長期航海で往復航分を補油するような場合に限り、更に二日分の予備を認められているんだ」

カワサキ君

「配船担当チームでは、このようにして決定された補油量を燃料チームへ社内発注し、燃料チームから業者や現地代理店へと連絡され、現地での補油が手配されるんですね」

ロングビーチ港外

カワサキ君はメモ帳をしまうと、バンカーホースの接続を行っているバンカーステーションへと向かいました。 係船索(ホーサー)によって、本船サイドにしっかり横付けされたバージ上では、ニ等機関士のYさんが、バージの人と実際にバージ側に積み込まれてある燃料の量を計測(サウンディング)しています。機関長のOさんは、バージから手渡されたスペック(specification)をチェックし、注文した通りの燃料が来ているかどうか、確認しています。
機関長のOさんはスペックに目を通しながら言いました。

機関長

「カワサキ君、バンカーの手配は前にも話した通りで、燃料チーム経由で手配されるんだったね。今回は、その手配されたバンカーを積み込む際に、本船側が注意しなければならないことについて説明しよう」

カワサキ君

「はい、よろしくお願いします」

機関長

「今、ニ等機関士のYさんがバージ上で行っているサウンディング作業は非常に重要なんだ。これを怠ると後で補油量についてトラブルが発生した場合に、大変困ることになるんだ。だから業者の立会いのもとでの積み込み前後の本船タンクのサウンディングとともにバージのサウンディングは必ず実施しているんだよ。それに今持っているスペックをチェックし、受入量及び比重・粘度・硫黄含有量等が注文した通りの値となっているか確認することも大切なんだ。この二つがOKとなって初めて、補油作業を開始するんだよ。それにもう一つ重要なことは、補油中に本船でバンカーのサンプルを採り、これを検査業者に送り検査を依頼することなんだ。燃料チームでは、この結果を集計することによって、悪質な業者から購入しないようにしているんだ」

カワサキ君

「いわゆる、これらはすべて燃料油を買う側の自衛手段なんですね

機関長

「そうだね。それでは、ニ等機関士のサウンディングの結果を聞いて、問題がなければ始めるとしようか。これが、今まで話した一連の補油量の決定から、補油するまでのフローチャートだよ。参考にするといいよ」

と言ってOさんは一枚の紙をカワサキ君に手渡しました。

補油オーダーフローチャート

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