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トップ > ニュースリリース > 2013年 年頭所感

2013年01月04日
川崎汽船株式会社
代表取締役社長
朝倉 次郎

2013年 年頭所感
―変化に対応し構造改革を成し遂げる―

新年明けましておめでとうございます。
2013年のスタートにあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 

  昨年の世界経済は年初に回復の期待が高まったものの、その後欧州債務危機、米国の財政問題、中国経済の減速などに焦点が当たり年半ばには回復への期待感が急速に後退しました。11月にはOECDも、2013年の世界経済成長率見通しについて下方修正しましたが、一方で欧州債務問題については欧州安定化メカニズムや銀行同盟の創設など問題解決にむけてEU諸国内の足並みが揃いつつあります。米国ではリーマンショック以降低迷していた住宅市場もようやく底打ちし、自動車販売台数が想定を上回るなど明るい兆しも見え始めており、緩やかながらも着実な経済成長が見込めるようになりました。

  政治に目を転じますと、昨年はわが国をはじめアメリカ、中国など多くの国で新しいリーダーが決まりました。世界金融危機による混乱から5年、世界は新しいリーダーを得て山積する問題の克服に向けて本格的に取り組む体制がようやく出来上がりました。そろそろ世界が不況から回復へ向かうという期待をしたいと思います。そして、今年は世界経済のけん引役として米中二国、BRICsに加えASEAN諸国に注目したいと思います。私は昨年、現地生産100万台が射程にはいってきたトヨタ自動車さんのタイの現地法人設立50周年記念式典に出席する機会にあずかり、成長市場としてのタイのダイナミズムを肌で感じてきました。インドネシアでもさらなる成長が見込まれ、そしてフィリピンがアジアの経済成長のけん引役として台頭してきました。ベトナム、ミャンマーなど潜在成長率の高い国への期待も大きく、市場は今後も一層拡大していくものと確信しています。これらの地域においては、当社は従来のコンテナ船事業の枠を超えた視点で新規事業に取り組んでいきたいと考えています。内航海運、自動車、二輪車の陸送事業、物流事業、港湾運営事業など地域に根ざした事業を現地法人の意欲的取り組みによって伸ばしていくことが当社グループの発展にとって重要であると考えております。

  さて、私たちが身をおく海運業界は現在も未曾有の危機の真中にあります。昨年はドライ、タンカー市況の歴史的低迷でオペレーターの破綻が相次いで顕在化しました。コンテナ船においても、各船社の大型船投入により需給ギャップが拡大してスペース過剰状態がつづいています。一方で、コンテナ船のメジャープレーヤーが市場シェア重視から収益重視に切り替え、これまで単独配船志向だった船社もアライアンスへの参加を望むようになったことで市場に規律が働き、上下波動を繰り返しながらも運賃は何とか持ちこたえるようになりつつあります。ドライバルク市場においても、世界最大の鉄鉱石輸入国である中国の輸入は前年比約5000万トン増えています。これを上回る船腹供給が市況の頭を押さえましたが、今年のケープサイズ竣工は昨年比半減しますし、市況の底打ちの萌芽も見られるようになってきました。 

  2012年度上半期は、コスト削減をはじめとする全役職員の収益回復に向けた努力が実を結びはじめたこともあり、90億円の連結経常利益を達成することができました。一方で、第2四半期決算発表の段階での通期業績見通しは、経常利益100億円、当期純利益20億円と当初の予想を下方修正しております。中期経営計画「Bridge to the Future」においては、市況悪化時にも経常黒字を確保できる体制の構築を目標としており、2012年度経常損益の黒字化、安定収益体制の構築、財務体質の強化という三つの重要課題を私たちは何としても達成する義務があります。現在直面している未曾有の海運不況に立ち向かうため、私たちは聖域なきコスト削減を実施し、余剰船腹の売却、解撤にも逸早く取り組みました。減船、減便、減速の三つの「減」を迅速・着実に行い、一方で適正運賃の維持に全力を尽くし、今期の黒字収支を維持することは私たちに課されたミッションです。

  2013年は海運市況を圧迫する要因であった新造船の大量竣工が峠を越す年であり、これまで散々業界を悩ましてきた需給ギャップが解消に向かう年であります。需給ギャップの解消には一定の時間はかかりますが、荒波をくぐり抜けた後の航海は間違いなく順調なものとなります。問題はその安全な海域にどうやって辿り着くかですが、これは何度も繰り返しますがコスト削減と安定収益ビジネスを積み上げて行く努力を続けることに尽きます。

  これまで培ってきた安全運航の歴史と技術、LNG船やPCTCなどの新しい分野への先見的な取り組みなど、当社グループは広く社会に必要とされる存在であろうと常に努力を続けてまいりました。厳しい事業環境下においても信用と安全を第一に顧客志向の姿勢を徹底し、競争力のあるサービスを提供することを愚直に続けることが安定的な収益を当社グループにもたらすものと確信しています。ドラッカーの教えに、利益は事業継続に必要なコストであるという一節があります。当社グループの事業が社会に必要とされ、その事業継続に必要な利益を安定的に上げることができるような企業に一日も早く生まれ変われるよう皆さんとともに努力を続けていきたいと思います。最後にこれらの目標を達成し、社会から必要とされる企業となるために必要な絶対条件として法令遵守と環境保全についてあらためて言及します。当社は昨年九月、大変残念なことに独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り調査を受けました。このような調査を受けたという事実を真摯に反省し、今後同じことが起きないよう万全の体制を敷いて如何なる法令違反も許さないという厳しい姿勢を貫く決意です。

  また、環境保全に万全を期すことは企業の存続に必須の要件です。当社グループでは、船のエネルギー利用効率を高め、燃料の消費を最小化して環境負荷を減らすために、さまざまな取り組みを行っておりますが、ロングビーチ港湾局からグリーンフラッグ賞を7年連続受賞したことを私は大変誇りに思います。環境保全の要諦はエネルギー効率もさることながら安全運航にあります。安全運航こそが、お客様との強固な信頼関係を築くため、そして国際社会の一員としての責任を果たす上での最重要基盤です。営業活動の礎である船舶の安全運航を担い、当社グループの屋台骨を支えていただいている海上従業員の皆さんに心より感謝申し上げます。
  一昨年より海賊発生件数やハイジャックに至る件数が減ったとはいえ、海賊行為は日々海上で働く海上従業員の皆さんにとっての脅威であることに変わりはありません。日本籍船への民間武装警備員の乗船等は、官民協力し実現に向けて鋭意検討しているところですが、会社でできるあらゆる対策を実施し、皆さんの安全を最優先することをお約束いたします。
  全世界で活躍している川崎汽船グループ従業員一人ひとりが原点に返って自らの職責を全うしてください。皆さんの努力がBridge to the Futureを築き、創立百周年を迎えることに繋がるのです。「明るく元気に」を忘れずに、かつ真摯に課題に取り組んでまいりましょう。当社グループの皆様とそのご家族のご健勝とご多幸、全船舶のご安航をお祈りして私の挨拶とさせていただきます。

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