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トップ > ニュースリリース > 社長年頭所信

2002年01月04日
川崎汽船株式会社

社長年頭所信
「New K-21の終結と新三ヵ年経営計画策定に向けて」

崎長保英

 新年おめでとうございます。新世紀二年目の年明けをお祝いすることが出来ますことは、当社グループ全役員、社員の日頃の努力の賜物であり、また、顧客の皆様をはじめ多方面の皆様のお陰であると、ともに慶び感謝したいと存じます。

 21世紀は、わが国経済の長期低迷に加えて、米国経済の減速をはじめとする世界経済の伸び悩みにより多難な幕開けとなりました。そこへ9月の米国での同時多発テロに伴う展開が加わり、今、私達は想像を超える厳しい世界経済情勢に直面しています。

経済環境の激変とNew K-21の終結

 一昨年はコンテナ運賃市況の回復、バルク、エネルギー荷動きのなだらかな成長という環境の中で、期首に策定した三ヶ年連結収支計画に合わせて、New K-21計画の数値目標を上方修正しました。昨年3月期には見込み通り史上最高の業績をあげることが出来ましたが、残念ながら、その後の世界経済の大幅な減速、変動は私達が想定した安定的な荷動きと運賃市況の見込みを遥かに超える事業環境の悪化となり、当面回復が期待出来ない見通しとなりました。

 このような劇的に変化した経営環境に速やかに備えるべく、98年4月より取り組んできた五ヵ年計画(New K-21)を四年度目の本年3月期をもって終了し、4月より新たな三ヵ年経営計画に取り組むこととしました。

 New K-21が当初掲げた連結売上高6,000億円、連結経常利益180億円、有利子負債3,150億円、ROE8%、自己資本比率18%などの最終年度の目標値は、すでに達成しているか、実質的には達成したと評価できる水準にあります。また、経営課題として掲げた課題をほぼ実現させており、この一年間での主な成果であるシンガポールでの海運会社「“K”Line Pte Ltd」、日本でのトータル・ロジスティクス・サービスの核となる「ケイロジスティクス」の立ち上げ、成果主義に基づく新人事制度、IT三極基幹システムの構築、環境憲章の制定とISO14001の取得申請などにより、グローバルに海運業を中核とする総合物流事業を営む土台は完成しています。

新三ヵ年計画の考え方

 この機会に4月からの新経営計画の基本的な考え方を述べさせていただきます。社史によりますと、第一次世界大戦終了後の大不況時の1919年に川崎造船所より分離設立された当社が当時保有した船隊は主に日本・アジアを中心とする物資輸送に従事するものであり、独立海運会社の設立には当時厳しい参入制限があった既存定期航路会社を追走する大いなる意気込みが感じられます。その後は比較的自由な競争がなされていた北米航路やバルク、エネルギーなどの輸入物資輸送を主力としながら次第に日本を中心とする海運事業に礎を築きました。他方1921年に至り、当社、川崎造船所、国際汽船の三社が抱える合計100隻に及ぶ船隊を「“K”LINE」のトレードネームのもとに統合し、その多くを欧米中心とする三国間に就航させる事業がスタートしています。

 当社グループの現在のコア事業である海運業を顧客の所在地、貨物、航路、船種などで括ってみると、創業のルーツである「川崎汽船」的事業と1921年以降の「“K”LINE」的事業の特性をもった二つの事業分野に大別することが出来ます。今日の当社の姿はこれらの事業が前になり後ろになり交互に会社の成長に貢献してきたことを示しています。しかしながら、今後とも機関車の動輪として二本のレールの上を同じような力で、同じスピードで走ることが低迷する世界経済情勢の中で最適な効率、スピードを得ることになるか疑問とするところです。私はそれぞれの事業の特性に応じた目標を設定すべきだと考えています。例として挙げれば、投資効率の判断、事業進出・撤退の基準、組織運営の哲学等もそれぞれの事業分野に適したものが望ましいと考えます。即ち、社内・グループ内の相関する事業の再編と分権化です。もちろん、日本経済のグルーバル化がますます進展し、国際基準が広く普遍化していくわけですから、両方の分野に垣根を作るべきではなく、可能な限り一元化できるものは一元化することが総合海運会社としての当社の優位性を生かすことになるのは当然であります。

 どのようにIT技術が進歩しても電子メールで物は送れません。海がある限り、低廉かつ安定した大量輸送に適した船舶による海上輸送が求められることは変わらない、また、生活の向上とともに輸送需要は成長するというのが私の信念です。そこで、以下の二点を強調したいと思います。

顧客に密着しよう

 グループの事業毎に異なる顧客の求めに柔軟に対応するためには、日本の顧客には日本で、海外の顧客には海外で、この間に広く展開される顧客にはその両端で密着することが重要です。発展する地域への展開に合わせ「海外に出ること」をお願いしたい。Kラインスピリットとは何か?とよく自問自答し、先に述べた“K”LINEのルーツを思い起こします。欧米のみならずアジア、環インド洋など海運事業が伸びる地域へ広がる顧客のニーズに応えるべく、是非当社グループの内外を問わず経験豊富な人材に定着して貰うことを期待します。更に「物流の現場に出ること」をお願いしたい。今、物流が脚光を浴びていますが、EDIなどでは処理出来ない現場実務の効率化が課題となりましょう。当社グループが永年国内外で培ってきた経験豊富な人材とノウハウ、物流関連事業や施設は顧客の求める効率化に役立ち、大きな力となるはずです。

リスクに挑戦しよう

 五ヵ年経営計画終結の経緯でもお話ししましたが、海運業は変動の大きい事業です。しかし、これを安定的に成長する収益事業とすることが私達の使命です。荷主、特にバルク、エネルギー業界にも変動の波が押し寄せているように伺えます。供給サイドである造船業も過剰生産力の調整過程は当分継続すると見込まれます。

 当社グループはと言えば、これまで、永年の合理化計画による自助努力により事業基盤の強化は図られてきました。今後共、更なる合理化努力を継続することは当然です。

 一方、成長分野、地域に積極的に進出する気構えなくして企業の成長は期待出来ませんが、リスクなくそのようなことが容易にできるものが残されているはずはありません。過去にもコンテナ化や自動車専用船化、LNG船開発など当社は物流が変革するときに果敢に挑戦して発展のチャンスとしてきました。変動の時代をチャンスと捉えるには従来の意思決定プロセスを見直し、迅速に変化に対応する仕組、リスクをこなす技能・判断力を組織として確立する必要があります。個人としては「専門家としての能力を磨くこと」に一層努力してください。新たなビジネスチャンスへの取組みを組織的に効率よく進めるための専門家集団は少しずつ整備されてきていますが、さらに必要な施策を推進したいと考えます。このような要請は海運業の中核である船舶と安全運航体制にも強くあることは論を待ちません。船舶技術部門の体制の変革、施策も進めてきました。海外船主との国際競争に打ち勝つ気概をもって、グループあげての効率化と技術の向上を期待します。

 1980年代の日本バブル経済という見せかけの繁栄、そして90年代の米国のIT革命に伴う長期好況はいずれも終わりを告げ、今日私達の前に立ちはだかるのは出口の見えない低成長経済の時代です。しかし、一方では、わが国周辺には潜在的な経済成長力を秘めたアセアン諸国や念願のWTO加盟を果たした中国や台湾が存在し、海運や広く物流のビジネスチャンスには大いに恵まれています。このような時代にこそ、当社グループ全員が厳しい創業時代のスピリットに思いを致し、創意と工夫により、国内外での競争力を更に高めて、今後の社業の発展を目指したいと思い、その先陣を受け持つ決意をしています。

 最後になりましたが、国内外、海上で活躍する当社グループの皆様とご家族のご健勝とご多幸をお祈りして、私の年頭の挨拶とさせて戴きます。

以 上

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