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トップ > ニュースリリース > 社長年頭所信

2006年01月04日
川崎汽船株式会社
前川 弘幸

社長年頭所信
「Kラインならではの商品、それを支える組織とヒト」

 新年明けましておめでとうございます。2006年のスタートに際し、一言ご挨拶申し上げます。昨年4月に﨑長前社長よりバトンを受けてから9ヶ月になりますが、早くも厳しい試練の時が訪れてきているのではないかと感じております。2004年度はお蔭様で連結経常利益1,072億円という過去最高益を記録することができましたが、2005年度は売り上げは増収になるようですが、経常利益は残念ながら15%程度落ち込むことになりそうです。それでも、尚、史上二番目に高い利益水準になりそうですので、皆様のご尽力に対しましてはこの場をお借りして深く感謝申し上げる次第です。燃料油価格が前年比でトン当たり90ドルも高騰したため、年間で240億円ものコスト増を余儀なくされているのが大きく響いております。また、2004年度はほぼ全部門にわたって高いレベルにあった運賃ですが、2005年度にはタンカーやばら積み船でマーケットが下落しました。これからも、運賃マーケットだけでなく、原油価格の行方、円や元など為替の変動、米国や中国を中心とした世界経済の動向、イラク問題など、先行き不透明な要因がいくつかありますので、現在のような業績がいつまでも続く前提で物事を考えるわけにはいかないと思います。


踏ん張りどころ

 収益環境としては今を天井と考え、これからは下落してゆくかもしれないという危機感を抱きながら、それを押し返せるだけの体制を作るのが喫緊の課題ではないかと感じております。相当程度の環境変化があっても、それに即応できる体制、踏ん張りの利く体制にシフトしておこうということです。『未踏の最高峰を目指す』には、一気呵成に登り続けるということはあり得ず、むしろ一旦峠を下る局面があるのが普通です。川崎汽船にとって今がまさにその時期にあるように思えます。踏ん張って、足腰に力を蓄え、やがて目指す最高峰への登頂に備えるということです。川崎汽船グループの社員と経営陣が一丸となって、今ここで踏ん張ることで、来期以降の収支の回復が非常に楽しみになってきます。コンテナ船、不定期船、自動車船を中心にコスト競争力のある新造船がこれから次々に竣工してきますので、これから事業規模が拡大し、収益改善のチャンスが出てきます。一方では、各部門、各グループ会社においては、収益チャンスを見逃してはいないか、コスト管理が甘くなっていないか、計画と業務を初心に帰って総点検していただきたいと思います。また、各自がやるべきことを、こつこつこつこつと地道に積み重ねてゆくことを決して疎かにしないこともお願いしたいと思います。
 さて、川崎汽船グループの中期経営計画である"K"LINE Vision 2008を3月に見直す方針でおりますが、そのことについて少し触れたいと思います。


Kラインならではの商品

 私たち川崎汽船とそのグループ会社は海上輸送を中心に陸上・航空サービスを総合的に売ることを生業にしています。従って、私たちはサービスという名の商品を売っていることになります。ハイブリッド車や液晶テレビなどのように、形としての商品があるわけではありません。船や倉庫やコンテナは道具ではあっても商品ではありません。川崎汽船グループにとっての商品造りとは、良い道具をいかに安く仕入れて、それをいかに上手く効率よく使って、お客様に最高に満足していただけるか、そこを徹底的に追求することにあります。
 私たちが売るサービスという商品は差別化が難しいこともあり、ともすれば今手元に在るモノを漫然と売っていることにはなっていないでしょうか。普通のものは単なるモノであって、本当の意味での商品とは限りません。"K" LINE Vision 2008でブランド価値の向上をテーマの一つに掲げておりますように、当社にはすでにブランドが幾つかあります。自動車専用船やコロナ型電力炭船の先駆的建造、Kラインアメリカのナショナル・カスタマー・サービス・センターによる行き届いた顧客対応、マレーシアのドキュメンテーション・センターによる比類のない正確性など、他社と差別化ができ、お客様からも極めて高い評価をいただいているのは、皆さんご承知の通りです。こういったKラインならではの商品の価値を更に高め、また、新たな商品を造り続けることが、川崎汽船グループの持続的成長を約束してくれるものと確信します。各部署、各グループ会社においては、お客様の視点での商品造りについて、今まで以上に積極的に取り組んでいただきたいと思います。


それを支える組織・体制とヒト

 一般に、会社の経営資源は、ヒト・モノ・カネ・情報・技術の五つといわれております。川崎汽船におきましても、それは基本的には同じわけですが、私は五つの中でもとりわけヒトであろうと思います。モノ・カネ・情報・技術を作ったり動かしたりするのはヒトなわけで、結局はヒトに尽きると思っております。私が川崎汽船に入社しました1971年頃からいろいろなことが起こりました。円高の進行、オイルショックのほかに人件費の高騰もあって日本の外航海運のコスト競争力は大幅に低下し、1986年には特定不況業種に指定されたほど日本船社の体力は疲弊しました。日本の海運会社の海陸社員にとってはまさに苦難の時代でありました。コスト・スラッシュやKRプラン、或いはKVプランなどを通じまして、聖域なきコスト削減を徹底しまして、やっとこの2~3年、それなりにコスト競争力もつき、海外船社と何とか対等に伍して行けるまでになったと実感しております。一方では、新たな問題も抱えております。2008年度末時点での川崎汽船の運航隻数は360隻から120隻増えて480隻になろうとしております。すでに殆どの新造船の発注を終えており、事業規模はこれから確実に拡大して行きます。このように500隻近い大船団を安全に運航してゆくのは大変なことですが、これを海陸から支える海技者の確保と育成が課題となっております。こういった中で"K" Line(Europe)Ltd. はLNG船の船舶管理を開始し、将来の更なる展開に向けた礎を築いております。陸上においても、これから益々海外拠点の拡充と展開のための要員の確保が必要になってきます。昨年、南アフリカのヨハネスブルク駐在員を復活させ、今年は新たにロシアのサンクトペテルブルグとトルコのイスタンブールにも社員を派遣することにいたしました。また、営業基盤強化のためスカンジナビア三国、スペイン、ポルトガル及びトルコに現地法人を設立し、この1月から営業を開始しました。この3月に、"K" LINE Vision 2008を見直そうとしておりますのは、2006、2007、2008年の3年間を、それ以降の飛躍的発展に向けた助走期間と位置づけているからです。飛躍的発展のために、例えこの助走期間中の発展のスピードが若干鈍ることがあるとしても、今敢えてここでヒトに必要な投資をすることで、経営基盤を強化しておきたいと考えます。ヒトだけでなく、ヒトが有効に働ける組織・体制についても、国内・国外を問わず重構造になっていないか、機能不全に陥っていないかなど見直して、運航規模500隻体制での事業規模を支えるための最適最強の組織・体制及びヒトのあり方を具体的に描き、それをこの助走期間中に作り上げたいと考えます。


透明度の高い会社

 世の中では企業の不祥事が相変わらず後を絶ちません。もしかしたら、私たちにも長年にわたって常識としてやってきたことに実は制度上の要件を見落としていたり、安全運航には万全を期しているはずがどこかに油断があったりしてはいないでしょうか。"K" LINE Vision 2008の三番目の課題として『コーポレート・ガバナンスとリスク・マネジメント』を掲げていますように、当社の場合はこの点については相当程度実践されている自信はありますが、果たして現場あるいは担当者まで浸透して実践されているでしょうか。『ちゃんとやっているはずです』ということだけでは万全ではありませんので、改めて確認していただきたいと思います。川崎汽船グループの長所のひとつは風通しが良く透明度が高いところです。透明度が高いということはガラス張りであるということです。隠し事がない、コミュニケーションが良い、自由闊達な社風であることが、透明度の高さに繋がってくると思います。コーポレート・ガバナンスの点でも、リスク・マネジメントの点でも、この透明度の高さが実は最も重要だと思います。透明度が高ければ問題は起こりにくい、万が一問題が起きたとしても迅速で適格な対応がとれダメージを最小限に抑えることができます。これは安全運航にもそっくり当てはまります。ほんの一握りの情報の伝達の有無が命運を分けるような紙一重の部分がそこにはあるように思います。皆さんには、透明度の高さを常に意識して仕事をしていただくよう改めてお願いしたいと思います。

 最後になりましたが、国内外の職場や洋上で活躍されている当社グループの皆様とそのご家族のご健勝とご多幸、全船舶のご安航をお祈りして私の年頭の挨拶とさせて頂きます。

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