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トップ > ニュースリリース > 社長年頭所信

2007年01月04日
川崎汽船株式会社
前川 弘幸

社長年頭所信
「安全運航にグループの総力を結集」

 明けましておめでとうございます。新年を迎え、川崎汽船及びグループ会社の役職員皆様に、年頭のご挨拶を申し上げます。

<安全運航が最重要課題>

 昨年一年間だけでも世界各地で、いくつかの重大な船舶事故を含め多くの海難事故が発生しました。幸いにも当社においては大きな事故はありませんでしたが、小さな事故やいわゆるヒヤリハットの類は数多く報告されています。ヒヤリハットと小さな事故、大きな事故とは紙一重の関係にあります。当社グループの船隊規模は、昨年9月末の427隻から2008年度末には500隻へ、更に2010年代半ばには700隻に拡大する計画になっています。これだけの船隊のすべてを安全に運航するためには、永年にわたって築き上げた当社の安全運航体制を更に強化する必要があります。その一環として、昨年5月に「安全運航を支える船舶管理体制」をまとめ、具体策のひとつとして検船監督を増員して検船体制を強化しました。その結果、支配船と傭船合わせて約230隻を対象に、K LINE-QUALITYの指針に基づいた検船を実施し、当社フリート全体の船質の向上と安全運航の確保に努めました。ヒヤリハットは潜在的大事故であり、また他社の事故は我々自身の教訓です。張り詰めた緊張感と鋭い感覚を常に忘れないでいただきたいと思います。イザというときは現場の判断がものを言います。場合によっては臆病に行動した方が結果として安全運航に繋がったケースもいくつか耳にします。臆病であることにも勇気が必要です。事故による損害はお金で償えても、安全運航に裏打ちされたお客様の当社への信頼は、一旦失うと取り返すのに何年も要することを、改めて肝に銘じたいと考えます。


<“K”LINE Vision 2008+ の進捗状況>

 さて、新中期経営計画である“K”LINE Vision 2008+ について、その進捗状況を報告します。計画初年度の今年度は、上期で燃料油価格がトン当たり76ドルも前年比で上昇したこと、コンテナ船事業部門において特に欧州航路の運賃修復が遅れたこともあり、営業利益・経常利益ともに前年同期比大幅減となり、計画値を下回りました。下期は燃料油価格が低下し落ち着いており、欧州航路の運賃も順調に回復軌道にありますので、堅調なドライバルク部門のマーケットの追い風もあり、通期で“K”LINE Vision 2008+ の目標値には届かずとも公表した経常利益610億円を達成できると考えています。売上においては、好調な世界経済に支えられ各部門とも順調に事業を拡大してきていますので、今期、初めて1兆円の大台に到達する見込みです。
 “K”LINE Vision 2008+ では、2010年代半ばにこうありたいという各部門の夢と熱い思いの結晶として、運航規模700隻、売上高1兆5,000億円、経常利益1,500億円、当期純利益1,000億円と数値目標を掲げました。このうち営業規模拡大の面では、フェーズ1とも言える2008年度末時点の目標運航隻数500隻に向け、2006年度47隻、2007年度25隻、2008年には41隻の新造船の竣工を予定しています。昨年秋には、環境に配慮した最新の設備を備えた当社の最大船型となる8,000個型コンテナ船2隻が竣工しました。この8,000個型は当社のコア事業であるコンテナ船事業の将来を担う基幹船隊ですが、今春もう2隻、また2008年から2009年にかけて更に4隻が加わり、合計8隻の最新鋭の大型コンテナ船隊となります。ドライバルク事業、自動車船事業、エネルギー資源輸送事業部門においては、長期契約の確保や新規荷主の確保、海外市場の開拓などの成果が出てきており、安定収益が確実に積みあがってきておりますので、引き続きこれらの事業内容の充実と船隊整備を着々と進めていきたいと思います。物流事業については、新たに戦略事業部門の一つとして位置付け、数値目標を掲げ内外から見える形で事業拡大を進めています。昨年7月には空海陸のワンストップ・サービスを含めた総合物流事業の中核会社として、ケイラインロジスティックス社を発足させました。また、グループ会社各社の物流事業をサポートする部門として物流事業推進グループを設置し、グループが持つ世界のネットワークを有効に活用することを目指しており、その成果が徐々にではありますが、確実に現れてきています。


<事業展開は果敢に>

 当面の課題はコンテナ船部門の収支改善ですが、全体として計画は着実に進んでいます。そこで2010年代半ばの大きな目標の達成に向け、今、何をなすべきかについて皆さんに考えて頂きたいと思います。船隊整備の面では、すでに2010年まで造船所の船台はほぼ埋まり、今後議論し方向付けしていくのは、4~5年先の案件となります。当然のことながら4~5年先以降のマーケットの見方については不確実性が伴うことになりますが、世界の荷動きは今後も年率3~4%で着実に伸びていくと見込まれ、事業拡大のベースとしての荷動きの増加は確実にあります。幸いに当社も事業拡大あるいは新事業分野の開拓にある程度のリスクをとって投資できる体力が備わってきました。もっとも、日本を起点としたトレードは成熟しつつある感は否めず、これまで以上に海外展開のスピードをあげて海外での事業基盤を強固にしてゆく必要があります。自動車船部門では、一昨年にはサンクトペテルブルグとイスタンブールに東欧の拠点を、同じくヨハネスブルグにアフリカでの拠点を開設したのに続き、ドライバルク部門では昨年2月に上海に営業拠点を、6月には東京本社にドライバルク海外事業開発室を置くなど、海外展開を加速するための体制を整備しています。今年はWTO加盟により、新たな生産拠点として有力視されるベトナムに事務所の再開を予定しています。安全運航では臆病であったとしても、事業展開では果敢にということです。


<スピード感を持って>

 今期は売上が初めて1兆円の大台に乗ることになりそうですが、組織としては少数精鋭であることに変わりなく、当社の伝統であるKライン・スピリット、われ先汽船の精神は今後とも大切にしていかねばなりません。他社と同じことを、同じようにやっていたのでは、川崎汽船らしくありません。各種委員会や会議がやたらと増え、その出席に時間をとられ、少数精鋭、迅速性など当社の持ち味や強みを損なっているということはないでしょうか。十分な議論を尽くすことは大切ですが、スピードも肝心です。各種委員会も時間の経過とともに、あるいは情勢の変化に伴ってその存在意義や目的が当初のそれから逸れてくることはあって当然です。むしろ未来永劫、それらが続くのがおかしいのかも知れません。昨年、執行役員制度を導入し、決裁基準も大幅に見直しました。その目的は、権限委譲によって意思決定と執行のスピードアップを図ることにありますので、この制度改革を充分に理解していただくと同時に、コツコツと着実に且つ常にスピード感を持って、自己の変革、業務の改革に取り組んでいただきたいと切に望みます。


<人材育成>

 人材の確保と育成は海上職、陸上職を問わず非常に重要な課題として捉えています。2010年代半ばに向けた大事業を成功させるためには、次代を担う若い血、新しい血も欠かせません。新卒者が若い血とすれば、キャリア採用者は新しい血ということになります。他社あるいは、他業種での経験、知識はこれまで当社にはなかった新鮮で貴重な財産です。この一年間でこういった新しい血が13名加わり、すでに仲間になった方々を加えると、延べ64名がそれぞれの職場で活躍しています。
 また、海外展開が加速する中、海外在勤員の年齢層も若返り、今現在、51名の20~30代の若手職員が海外で活躍しています。今後、若手職員が海外に飛躍する機会はますます高まりますので、そのための研修制度も充実させており、中国語学研修、米国研修、乗船研修、階層別研修、社内英会話研修等の研修に毎年約200人が参加しています。数年前から、世界の3ヶ所において“K”Line Universityが開校しました。これは主に中堅幹部に東京本社を含む海外の事業所で研修を受けてもらう制度ですが、これまでに米国のリッチモンド・キャンパスで累計97名、ロンドン・キャンパスで累計90名、東京キャンパスで75名、合計で実に262名が卒業生として、職場に戻り大きくステップアップして一段と業務に精力的に取り組んでいます。
 また、グローバルベースでの船員確保・育成の点でも「“K”Line Maritime Academy(KLMA)」構想に基づき、インドのムンバイに新たな研修施設「“K”Line Maritime Academy(India)」を本年4月に開所予定で、年間約500人のインド人オフィサーが研修を受けることになります。KLMA構想に基づく船員研修センターはこのほど鍬入れ式を行ったフィリピンの新研修センターに続くもので、川崎汽船だけでなく、グループのすべての船舶管理会社の船員の海技レベルとモチベーションをKライン・スタンダードに揃えることを目的としています。



 ここまで申し上げたことをまとめてみますと、安全運航を最重要課題と位置づけ、“K” LINE Vision 2008+の目標達成に向かって、事業展開では果敢に挑戦し、業務執行においてはコツコツと着実に且つスピードを上げ、若い人材・新しい人材を育成していきましょうということになります。これらを達成することができれば、2010年代半ばには“K” LINE Vision 2008+ の中に皆さんと一緒に描いた絵、未踏の高峰に到達しているものと確信します。


 最後になりましたが、国内そして世界の各地で、また洋上で活躍する当社グループの皆様とそのご家族の皆様の今年一年のご健康とご多幸を心より祈念致しまして、私の年頭の挨拶と致します。

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