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トップ > ニュースリリース > 社長年頭所感

2008年01月04日
川崎汽船株式会社
前川 弘幸

2008年 年頭所感
「“K”LINE Vision 2008+ の見直しで2010年代に向け新たな船出」

 明けましておめでとうございます。新年を迎え、川崎汽船及びグループ会社の役職員の皆様に、年頭のご挨拶を申し上げます。


<安全運航が最重要課題>

 昨年は、新年早々の1月9日に、当社運航の大型原油タンカー「最上川」が、ホルムズ海峡を通峡中に米国の原子力潜水艦に接触され、船底と船側に破口が生じました。安全運航が最重要課題であると年頭所感で述べて1週間もたたないうちのできごとでした。積み荷の原油や燃料油の流出もなく、また、最上川には不可抗力の事故であり、損害は保険で米国海軍により全額補填されたのは不幸中の幸いでした。事故処理に際して本船が取った沈着冷静かつ的確な行動は、当社の現場力の強さを示すものであり、このような仲間達と一緒に仕事ができることを誇りに感じています。一方で、この事故以外でも比較的軽微な事故や、ひとつ間違えば大事故になったかも知れないというような紙一重の事例は少なからずあります。当社グループの船隊規模は、2008年度末には500隻へ、更に2011年には600隻へ、そして2010年代半ばには700隻体制になる予定であり、安全運航の重要性はますます高まってきます。乗組員だけでなく陸上で運航に関わる役職員のすべてが、日頃の業務の中で常に緊張感を途切らすことなく、引き続き安全運航に取り組まれますよう、改めてお願いしたいと思います。


<“K”LINE Vision 2008+ の見直し>

 さて、当社グループの今期の業績は、歴史的な燃料油価格の高騰、サブプライム問題を端緒とした急速なドル安、コンテナ船の荷動きの軟化等が懸念されますが、ドライバルク部門は中国需要を中心として引き続きマーケットが高位で推移していくと予想しており、売り上げ、利益ともに史上最高になると同時に、中期経営計画である「“K”LINE Vision 2008+ 」で掲げた2008年度の数値目標を1年前倒しで達成することになりそうです。これはまた、2010年代半ばの目標数値も射程に捉えうる水準にあり、現計画より一段上のステージ、次なる高峰を目指すことが出来る環境に至りつつあると認識しています。かかる経営環境を踏まえ、現中期経営計画を見直し、4月末に予定しております期末決算発表の際に公表することで、当社グループの更なる飛躍へ向けた新たな一歩を踏み出したいと考えております。
 特に、今回の中期経営計画の見直しにあたっては、川崎汽船グループとして、国内および海外の関係会社や、国内外の従業員各位からも率直且つ建設的な問題提起と提案をお願いし、それを可能な限り盛り込むことで、グループ全体が一方向のベクトルに向かって、問題意識をともに共有できる中期経営計画にしたいと考えております。既に、多数の問題提起やご提案をいただいておりますが、これらをどのような形で中期経営計画に盛り込んでいくか、非常に興味深くもあり、また楽しみにしています。

 ここで、見直しにあたりいくつかの所見を述べておきたいと思います。


<グローバルベースでの事業展開と人材育成>

 様々な課題を抱える米国に代わり、すでに経済強国となりつつある中国に加え、資材・資源の高騰で活況を呈するロシア、中東やBRICs、VISTA諸国が、新たな世界経済の牽引車として、更なる成長を遂げることは間違いなく、物流業界における主戦場となっていくことでしょう。したがって、今後の当社の事業拡大においては、海外での既存の事業基盤を強固にしていくことに加え、新たな地域への展開、拠点強化を急ピッチで進めていく必要があります。昨年2月のベトナム事務所開設、6月のブラジル現地法人設立に続き、7月にはインド駐在員事務所を設置しました。この2月からは中東地域の経済の活発化にともない、これまでのデュバイ駐在員事務所の機能を強化し、中東駐在員事務所とする予定です。更には、重量物船事業、オフショア支援船事業など新たな事業分野への進出なども加速化しています。
 かかる状況においては、営業部門、管理部門、国内、海外、日本人、外国人を問わず人材の不足が事業拡大の阻害要因となる懸念があります。海外在勤員を例にとりますと、川崎汽船単体だけでも、陸上総合職・海上職員併せて734名中17%にあたる合計122名の社員が海外で勤務していますが、世界各地での人材の育成が喫緊の課題です。そういった意味でも、世界各地の中堅幹部を対象とした“K”Line University制度は大きな役割を担っています。昨年1年間で112名の受講生を加え、累計の受講生はリッチモンドで133名、ロンドンで144名、東京で97名、これまで、実に374名となりました。これらの卒業生が受講を契機に新たな視点から、また一段とステップアップして、従来以上に精力的に業務に取り組んでくれていることは非常に心強く、将来の“K”ライングループの中核の人材へと育っていくものと期待しております。
 一方、海上職員確保・育成においても、昨年4月にインドのムンバイに「“K”Line Maritime Academy(India)」を開設したのに次いで、本年2月にはフィリピンのパサイに最新の教育・訓練施設を備え、年間1万人を対象とした研修センターを開所予定です。
 人材の確保と育成はこれからのグループの成長を支える重要課題として捉え、従来の枠や考え方に捕らわれることなく、よりスピードをあげて取り組んでいきたいと考えております。


<リスク管理>

 史上最高の業績が見込まれる一方、急速なドル安懸念、歴史的な原油価格の高騰、サブプライム問題を端緒とした米国経済のスローダウン等、不安要素も高まっています。海上荷動きは、今後も年率3~5%程度で着実に伸びていくと見込まれる一方、新造船腹の供給面では、中国の造船能力に一部不確定要因はあるものの、今後数年間で相当数の新造船が竣工するのは間違いなく、2010年以降の市況動向は相当の不確実性をともなうことが予想されます。したがって、引き続き事業拡大あるいは新事業分野の開拓を進めるにあたっては、これまで以上に慎重に将来の市場動向を見極め、収益性に加え、グループ全体の財務規律が保持できるかの観点から投資判断を行っていく必要があると考えます。また、急激な事業環境の変化にともなって発生してくるリスクは、事業規模の拡大とともに増大してきます。中には実務の現場にいなければ、なかなか把握することができないものもあります。完全なリスク管理を実現するためには、組織的な対応に加え、皆さん一人ひとりの現場での感応力を高める必要があるとの認識で取り組んでいただきたいと思います。山高ければ谷深しの譬えがあります。決して今期の好業績に浮かれることなく、目標を高く掲げる限り、それだけリスクもともないますが、決して臆することなく、これから定める2010年代の新たな目標に向けて一歩、一歩、着実に前進してまいりたいと思います。


 最後になりましたが、国内そして世界の各地で、また洋上で活躍する当社グループの皆様とそのご家族の皆様の今年一年のご健康とご多幸を心より祈念致しまして、私の年頭の挨拶と致します。

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