【通期業績予想】

Q-1:今期の特別損益の見通しについて、市況メリットが享受できない、経済効果のない船については、今期でほぼ処分が終了するという理解で良いのでしょうか。また、特別損益のネットではどのくらいのマイナスになるのでしょうか。

 

A-1:構造改革については、今できる効果のあるものについては、ほぼやり切れるということで評価しています。また通期業績見通しにて、経常利益が+3,900億円に対して、当期純利益が+3,700億円で、200億円ぐらいの差がありますが、おおむねこの差の半分程度がネットの特別損益に当たるものとご認識いただければと思います。

 

 

Q-2:構造改革の効果について、来期どれぐらいの効果が見込めるのか教えてください。

 

A-2:今期予定しています構造改革による来期の経常収支への効果ですが、まだ様々な前提がクリアされておらず、確実な数字だけを申し上げると、おそらく40億か50億円ぐらいの経常収支の改善効果が出るのではないかと、現時点では見積もっています。

 

 

Q-3:連結の事業ポートフォリオについては整理が終了しつつあると考えてよろしいのでしょうか。事業整理の考え方について何か変わったところがあるのでしょうか。

 

A-3:事業ポートフォリオについては、不採算事業の処分ということで今取り組んで進めており、また今期の収支に織り込んでいる状況です。

 

 

Q-4:コンテナ船の不採算船に対する構造改革は必要ないのでしょうか。

 

A-4:コンテナ船については、従来どおり会計士と協議の上、必要な傭船損失引当金を計上することとしており、この方法自体については変更ありません。一つ変わった点があるとすれば、コンテナ船の市況改善に伴い、傭船市況も大きく上昇している中で、今後の引当金額についても、前提となる傭船市況が変わってくる為、金額が減少してくると見ていますが、コンテナ船の不採算船の構造改革は予定していません。

 

 

【当社の株主還元および、ONE社からの配当について】

Q-1:期末配当1株当たり300円という額の意味を教えてください。

 

A-1:当社の単体利益剰余金がプラスになった中で、資本政策についてはより精緻なもの、より考え方として統合されたものを、現在策定中の新たな事業計画とあわせて来年お示しする予定です。その前段階として、現時点での当社のバランスシート、今年必要な投資キャッシュフロー、また構造改革に必要な資金も踏まえた上で、株主の皆様へ還元できる配当が1株当たり300円ということになります。

 

 

Q-2:ONE社の配当政策について、今回確定したのでしょうか。それとも今後変更の余地があるのでしょうか。考え方について教えていただければと思います。また、ONE社の配当性向と、ストックベースでのキャッシュをどれほど戻すかという点は、両方ともに決めることになるのでしょうか。

 

A-2:特に決まった配当性向があるというよりも、想定以上に業績が推移する中で、資本効率の観点から、株主である親会社3社が話し合って期中配当を行ったものです。今後更にONE社の事業方針、事業計画を詰めていく中で、市況耐性も踏まえて、どのくらいの現預金水準が必要なのか、加えて、投資の為の必要資金、財務規律や資本政策を定めた上で、今後の追加配当について、どう対処するかを、株主の3社を含めて詰めていく予定です。ONE社の配当方針については、これからまさに議論を煮詰めていくところですが、今年中には何らかの形で明確化していきたいということで、関係者間で調整してまいります。資本政策の中で、資本効率も考えながら、ONE社にどの程度内部留保するのか、あるいは株主へと還元していくのか。これは将来投資との兼ね合いも含めてまさに議論を深めていくところです。

 

 

Q-3:ONE社からの配当金の前提について、いつまでの実績を踏まえた配当金なのでしょうか、教えてください。また、川崎汽船単体の利益剰余金としてどれくらいの水準を保ちたいのか、目線があれば教えてください。

 

A-3:ONE社からの配当は、中間配当という位置付けにて、上期業績を受けて決定されたたものです。当社の単体利益剰余金の水準については、まずプラスでなければならないのと、来期以降は単体利益剰余金の水準のみならず、稼ぎ出す営業キャッシュフローについて、成長戦略への投資、財務体質の強化、それらを踏まえた上での株主還元とのバランスを取った資本政策を考えていきたいと思いますので、必ずしも単体利益剰余金と直結することにはならないと考えています。

 

 

【策定中の当社の新しい経営計画、及びONE社の事業計画について】

Q-1:策定中の新しい経営計画に関連して、成長施策として考えられる分野としては、海運事業なのでしょうか。それとも物流などの非海運事業なのでしょうか。方向感があれば教えてください。

 

A-1:今、検討している最中ですが、やはり海運事業にはしっかり取り組まなければならないと考えています。

 

 

Q-2:ONE社の事業計画の公表はいつ頃となりそうでしょうか。

 

A-2:ONE社の事業計画については、最終調整の局面に入っており、早ければ年内には何らかの形で発表できるのではないかと思っています。

 

 

【コンテナ船事業関連】

Q-1:下期のコンテナ運賃の考え方について教えてください。。

 

A-1:ONE社下期の運賃の見立てですが、下期10月に入って短期運賃については調整局面を迎えて、緩やかに下落していくとの想定をしています。ただし、実際に10月に入り、大きく短期運賃が下落したという事実はなく、今後の運賃動向についてさらに注視していくことになりますが、足元11月に入っても、10月の運賃市況が維持された形で短期運賃は推移している状況です。

 

 

Q-2:ONE社にて、長期契約比率が高まっている、あるいは複数年契約が増えているといった状況や、中長期的に以前よりも市場が安定していきそうな動きは出ているのでしょうか。

 

A-2:長期契約運賃については、契約更改が開始されていますが、明確な結果についての報告はまだ受けておりません。短期運賃市況が高止まりしており、サプライチェーンの混乱についても収束の見通しが立っておらず、当面は継続するという中での交渉ですので、長期運賃の契約交渉も基本的には値上がりする方向で進んでいると理解しています。複数年契約については、例年に比べて、お客様からの要望は増えています。これもサプライチェーンの混乱等々のある中、需給がタイトであり、スペースをきちんと確保されたいというご意向もお客様にはあり、条件次第ではありますが、お客様の要望に耳を傾けながら交渉を続けている状況です。長期契約比率については、基本的には従来の比率、あるいはプラスアルファを押さえていきたいと考えています。