皆様本日は大変お忙しいところ弊社の決算説明会にお運び戴きまして、有難うございます。
それでは私から、決算の概要を簡単にご説明致します。

 

A-1 第2四半期決算概要

第2四半期、第1四半期と合わせて、上期の実績ですが、
売上高6,598億円、営業利益249億円、経常利益259億円、当期純利益212億円、
期中の平均為替レートは102円52銭、燃料油価格は611ドルでした。
前年同期比では、売り上げ532億円、営業利益51億円、経常利益59億円、当期純利益65億円の改善です。
為替レートは前年同期比で4円49銭円安、燃料油価格は17ドルの下落、
この2つの要素は経常利益の増額に大きく寄与しています。

部門別では、
物流と合わせたコンテナ船事業は非常に好調で、第2四半期73億円の経常利益を計上できました。
上期ではプラスの95億円と前年同期比で79億円の改善。
一方、不定期専用船は上期175億円、前年同期比で44億円悪化しました。
海洋資源開発及び重量物船については、2Qは黒字に転じて、上期マイナス6億円、前年同期比で13億円改善。
合計の上期実績は、経常利益259億円になりました。

為替・バンカー価格による経常利益の押し上げ分は、上期前年同期比4円49銭の円安により27億円、
バンカー価格前年比17ドル単価安により10億円、合計37億円改善に寄与しています。

それから財務指標は、
自己資本4,210億円、2014年3月末に比べまして322億円増えました。
現預金は約200億円減ってますが、市況、世界経済の動向を見つつ、適正なレベルを保っています。
有利子負債の削減に努めまして、9月末は5,812億円、半年で626億円削減。
結果DERも138%と、28%の改善。NET DERは100を切る87%と大きく改善しました。
自己資本比率も33.8%と、2.9%上昇しております。

 

A-2 上期実績のポイント

次に上期実績のポイント、前年同期比59億円を分解すると、大きなところでは、
為替変動と燃料油変動については先ほど申し上げました前年同期比37億円改善。
市況変動は、コンテナ船が前年度より良かった一方、不定期専用船とりわけドライバルクが前年比低迷、
差し引きして6億円改善。

 

A-3 通期業績予想

通期予想、営業利益、経常利益は殆ど据え置いており、当期純利益のみ215億円と改善を想定しています。
今の時点では色々不確定要因がありますので、通期業績を確度の高い見通しをするのが
やや困難であるという判断からです。

不確実な要素について言うと、為替、急激に下落した原油価格と連動するバンカー価格、これらは今の時点では見通しがたい。
またコンテナ船で言うと、9月以降下げた欧州航路の運賃を11月に修復予定ですが、これが見通せない。
同様に南北航路の運賃修復も今のところ見通しがたい。
ドライバルクに関しては、漸く10月になってケープ主導でBDIが上がってきましたが、何連騰かして、
昨日また下がったり、上げ基調の持続性についても、今の段階では判断しにくいということもあります。
そのため、営業利益、経常利益等については据え置いております。
ある程度確信や手応えを得た段階で、修正も考えたいと思います。

 

A-4 通期業績変動のポイント

次に通期業績のポイントですが、為替が前年比4円の円安で40億改善、燃料油は25ドル安で31億円改善、
市況変動は、主に不定期専用船の市況の低迷により前年比118億円の悪化を予想しています。
但し、先ほど申し上げたように、この段階では予想し辛いところがありますので、
この辺は少し割り引いても見ていただきたいと思います。

 

A-5 コスト削減の進捗状況

こちらは自助努力でできることなので、粛々と進めています。
今年度の目標は131億円のコスト削減でしたが、それを上回る通期170億円のコスト削減を実施する予定。
とりわけコンテナ船部門で下期追加でコスト削減を計画しています。
上期までの進捗状況は37%ですが、下期に集中して行うコスト削減のアイテムが種々あります。

 

B-1 コンテナ船

コンテナ船は先ほど申し上げましたように、上期は非常に好調、堅調で、増収増益。
特に東西航路は良かったです。
今後のポイントは、北米航路は堅調なので、予想を上ぶれる要素もあると思いますが、欧州航路については
欧州経済が非常に混迷していること、大型船の投入が相次いで競争が非常に厳しくなっているという面もあり、
不透明感が強いという見方をしてます。
それから、先ほど申し上げた通りコスト削減は強化していく。
また弊社は徐々に採算の良い貨物、特に冷凍貨物をとれるように、機器の整備等、投資を積み重ねてきました。
こういった部分で収益の向上を今後図っていきたいと思っています。

 

B-2 ドライバルク

ドライバルク部門ですが、前年同期比では円安もあり収入は増えましたが、
収支という意味では減益でした。9月まで市況が、ケープ以下全ての船型で低迷しましたので、
収益を伸ばすということは難しい状況でありました。
しかし、弊社の大型船ケープは、長期契約により荷物と船舶の量がマッチしてますので、市況にあまり左右されず、
利益を計上することができました。それから電力炭やチップなどの専用船も安定的に利益を上げることができました。
あとは中小型船のいわゆる一般不定期部隊ですが、こちらも健闘したと言っていいと思います。
上期は若干ですが黒字でしたが、市況全般が非常に不振だったので、対前年同期比では残念ながら減益になりました。

 

B-3 自動車船

自動車船は、上期では前年同期比減収減益、輸送台数が4%前年同期比で減りました。
また自動車専用船の中で大型のカテゴリーに入る6,000台、あるいは6,500台大型船が当社は若干不足しており、
大ロットを中型船に分割するなど配船の効率化が今期はあまりうまくできておらず、そういう点も減益につながったと思います。

この点については、日本で最大級の7,500台積みの自動車船10隻を新造整備しますが、
来年早々から投入されてきますので、高い燃費効率を中心に配船及び運航効率の改善は今後なされていきます。
これが収支向上へ威力を発揮してくれるといいと思っています。

今後のポイントで、「完成車の海上輸送は世界的に堅調に推移」と書いておりますが、
これは全ての地域に言えることではなく、まだら模様的なところがあり、一部の地域では既に弱含むシグナルも出ています。
南米、アフリカの一部、ロシアも今後少し弱いと見ております。

 

B-4 LNG船・油槽船

次にLNG船・油槽船、エネルギー関連部門ですが、
LNGについては、全て中長期契約がついておりますので、順調に安定利益を稼いでいます。
油槽船は、大分弊社は船隊を減らしましたが、上期は市況が低迷してたということもあって、上期は若干の赤字。
10月に入って、特に大型のVLCCのマーケットはかなり上がっており、需給関係から見てもしばらくワールドスケール50~55位を
維持されるんじゃないかと見ており、下期の油槽船は、恐らく黒字化すると見ております。

 

B-5 海洋資源開発及び重量物船

最後に海洋資源開発及び重量物船ですが、
海洋資源開発には、オフショア支援船、ドリルシップ等がありますが、順調に利益を上げています。
一方、うちの船隊の中で問題を抱えてた重量物船事業に関しては、上期は増収、それから赤字はかなり縮小しました。
市況は緩やかな回復基調にあります。うちの船隊の中で、ハイスペックの船が数隻ありますが、ハイスペック船でないと、
取り扱えないいわゆるプロジェクトカーゴ、とりわけオフショア関連のビジネス用のプロジェクトカーゴの成約がかなり
出てきています。収支均衡まであと一歩というところまで回復してきておりますが、一方で、
来年以降の持続性については、まだ不透明感は払拭し切れないなというところはあります。

 

以上で私からの説明は終わらせていただきます。