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トップメッセージ

東日本大震災による当社グループへの影響と対応

 この度の東日本大震災により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
 川崎汽船は、3月11日の地震発生後直ちに災害対策本部を設置し、運航船舶、関連施設、役職員の被害状況の確認と安全の確保を行いました。海陸従業員はじめ関係者に負傷者はありませんでしたが、鹿島港で傭船中の船が座礁しました。幸い油濁事故には発展せず、5月3日に揚げ荷を終え修繕地に向かいました。国内グループ会社の川崎近海汽船では一部の航路で震災の影響から寄港地を変更しましたがが、グループ全体としては現在正常に業務を遂行しています。
 川崎汽船グループは、被災地への支援として、会社および役職員有志による義援金寄付に加え、復興援助物資の無償輸送等、海運企業グループとして本業に根ざした復興支援活動に取り組んでいます。今回の被害状況の甚大さを見ますと、復旧・復興には相当の時間を要し、粘り強く息の長い支援活動が必要になると思われます。私どもは、今後とも被災地の皆さまが一日も早く震災前の生活を取り戻せるよう、一企業市民として積極的に支援活動に参画していく所存です。

「“K” LINE Vision 100 - 新たな挑戦 -」

 川崎汽船グループは、2008年3月に2010年代半ばを見据えた中期経営計画「“K” LINE Vision 100」を策定しましたが、同年秋のリーマンショックによる世界経済の低迷により激変した事業環境に対応するべく、2010年1月に「“K” LINE Vision100 KV 2010」にてこれを見直しました。2010年度においては、世界経済の回復もあり、川崎汽船グループは計画を上回る業績を達成することができました。
 2011年4月、新たな事業年度を迎えるにあたり、私どもは中期経営計画を再び見直し、「“K” LINE Vision 100 - 新たな挑戦-」のもとでの事業運営に移行することといたしました。今回の中期経営計画では、従来からのメインテーマ「共利共生と持続的成長」を実現するための5つの基本課題を踏襲した上で、二つのミッション「安定収益基盤の拡大と持続的成長」および「市場の構造変化と需要増に対応する戦略投資」を掲げました。

海運企業グループとしての社会的責任

 川崎汽船グループの企業理念にある「安全運航と環境保全に努め、お客さまのニーズに全力で応え、サービス品質の向上を通じ、世界の人々の豊かな生活の実現に貢献」するとは、すなわち海運企業グループとして事業を通じて社会的責任を果たしていくということに他なりません。お客さまからお預かりした貨物を安全・確実に、かつ環境保全に十分配慮しながら輸送すること、そしてそうした輸送サービスの提供に携わる人材を確保し育てつづけていくことは、私どもの重要な使命です。川崎汽船グループは、この使命を成し遂げ、企業理念を実現することこそがCSR活動の目的と認識しています。以下に、この3つの重要な使命、「安全運航」、「環境保全」、「人材育成」について、私どもの基本的な取り組みを述べさせていただきます。

安全運航
 船舶の運航にはさまざまなリスクが伴います。海上におけるリスクには、操船事故や本船機関・機器類の故障など自らの注意や備えによって予防措置を講じることが可能なものの他に、自然現象に起因するものがあります。また昨今では、アデン湾やインド洋にまで拡大している海賊行為など過去の知見では対処しにくいリスクが増加しており、安全運航にこれで十分というゴールはありません。私どもは、お客さまの大事な貨物と乗組員の命を預かるものとして、そうしたリスクに備えてあらゆる手段を講じ、貨物と人命の安全の確保および環境破壊の防止を図らねばなりません。そのために、私どもは、個々の海技者による日ごろの技術の研鑽や世代間の知識の伝承はもちろんのこと、万一の事故に備えたリスクマネジメント体制の強化によって、確固たる安全運航管理体制を構築することを目指しています。

環境保全
 環境保全への取り組みも、安全運航と同様にこれで十分というゴールはなく、日々の業務において常に認識を新たにし、過去の施策や案件への対応にとらわれない柔軟な視点と対応が必要です。化石燃料のエネルギーによって船を運航している立場としては、地球環境の維持に向けて、燃料消費の最小化とエネルギー効率の向上に邁進すべき責務があると認識しています。
 数ある輸送モードの中で、単位重量および距離当たりのCO2排出量が最も低い船舶による輸送ですが、さらなるエネルギー利用効率の向上を目指し、また、CO2排出量の少ない燃料の使用を研究するなど、あらゆる視点に基づいた取り組みを進めます。

人材育成
 当社グループにとって人材は最重要の資産です。いかに立派な制度や施設を設けて、高い目標を立てても、それを使い、実行に移す一人ひとりが十分な知識と意識を持って業務に当たらなければ、所期の結果は望めません。私ども、グループ従業員一人ひとりがその能力を最大限に発揮できるよう、各人の多様性を尊重し、安全で働きやすい職場環境の整備・向上に努めるとともに、さまざまな研修を通じて一人ひとりのスキルアップを図っています。

持続的成長を目指して

 当社グループの中核をなす外航海運業の大きな特徴の一つとして、事業環境が世界の政治・経済情勢や天候と密接に関連していることが挙げられます。海運マーケットは世界各地の社会動向や自然現象など世界的な規模での動きに大きく左右されます。私どもは、この点を常に心に留めグローバルな視点で世界を見つめ、こうした変化を敏感に感じ取り、市場の構造変化や需要の変動に的確に対応していかなければなりません。こうした姿勢なくして、海運企業グループとして社会的責任を果たしていくことはできないと考えています。私ども川崎汽船グループは、世界各国・各地のステークホルダーに広く目を配り、関係する皆さまの福利向上への貢献を通じて、持続的成長を図っていきたいと考えています。

2011年6月
代表取締役社長
朝倉 次郎

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